政府の補助金縮小で重油が値上げ 越前がに漁にも影響 燃料費かさみ漁師の経営圧迫も
政府の補助金の縮小に伴い、19日からガソリンや灯油が値上げとなりました。燃料費の値上げの波は、新幹線の県内開業で追い風に乗る越前がに漁や、いまが1年で最も忙しい運送業に打撃を与えています。
政府のガソリン補助金の段階的な縮小に伴い、19日に福井市内のガソリンスタンドでは店頭価格が改定され、1リットルあたりレギュラーで178円、灯油は123円と、それぞれ5円程度値上げとなりました。
■記者
「燃料高騰の荒波はトップブランドの越前がに漁にも及んでいる」
底引き網漁は、海底に沈めた網を巻きあげるため多くの燃料を消費します。
高止まりしている重油も1リットルあたり4円近く値上がりして漁業者を直撃し、越前がにの水揚げ量で県内トップの越前漁港でも影響を心配する声が聞かれました。
■越前町小型底曳網組合 泉誠会長
「頭が痛い話 一度に4円油が上がると、漁具資材、ロープ(石油製品)が便乗して上がっていくと思う そこは心配」
1月16日にも、補助金の削減で再度値上げが予想されていて、これによる年間の燃料費のアップは小型の漁船で40万円、大型の船で110万円にのぼると見込んでいます。
■泉誠会長
「12月や1月は海がしけると基本出られない でも船員には給料を払わないといけないから影響してくる」
1年で最も忙しい時期を迎えている運送業界でも、ガソリンの値上げが死活問題となっています。
400台以上の車両を所有し、全国に配送を行なうこの会社では、グループ全体で年間600万リットルを使っていて、ガソリンや軽油の値上げによるコストのアップは6000万円と見込んでいます。
■北陸トラック運送 水島正芳社長
「賃金、車両、燃料費もアップとトリプルパンチ状態で苦しい経営が続いている」
特に運送業界は、ドライバーの時間外労働が制約される2024年問題に加え、従業員の賃上げで経費が増える一方です。
この会社では今後、燃料の上昇分に応じて荷物の運送価格引き上げを荷主に求めていくとしています。
新幹線開業によって観光客でにぎわうかにシーズンの港町や、繁忙期の運送業を襲う値上げの荒波。
さまざまな業界が経営の圧迫に頭を悩ませています。