徳島県立近代美術館が6720万円で購入の作品 贋作疑い
徳島県立近代美術館が1999年に6720万円で購入した作品に贋作の疑いがあることがわかりました。
美術館は今月27日から開催する「所蔵作品展」での展示を取りやめるとともに、真贋の調査を進めています。
贋作の疑いが生じたのは、フランスの画家ジャン・メッツァンジェの作品「自転車乗り」です。
メッツァンジェは初期キュビスムの代表的画家のひとりで、「自転車乗り」はそのメッツァンジェが1911年から翌年にかけて描いたとされる油彩画です。徳島県立近代美術館が、1999年1月に大阪の画商から6720万円で購入しました。
以降、四半世紀にわたってメッツァンジェ作として所蔵してきましたが、先月、この作品がドイツの天才贋作師と呼ばれるヴォルフガング・ベルトラッキによる贋作だとの記事がネット上で見つかったことから、真贋に疑いが生じたということです。
徳島県立近代美術館 竹内利夫課長
「まったく(贋作だなど)前提としていない。鑑定書もあるし、ずっと愛着を持って見てきたので言葉にならない。しばらく調査に時間がかかると思う」
作品は現在、京都の京セラ美術館に貸し出し中ですが、こちらでの展示を取りやめるとともに、徳島県立近代美術館が今月27日から開催する「所蔵作品展」での展示も取りやめるということです。
徳島県立近代美術館は真贋の調査を進め、改めて結果を公表するとしています。