ビリギャル「点数が低い、そもそも誰が決めた?」 “点数の低いテスト”を見つけた時の声かけとは?
こども×学びの疑問に教育関連のスペシャリストが、具体的なシーンを想定して答えてくれました。今回のゲストはビリギャルのモデルになった小林さやかさん、SOZOW株式会社の小助川 将さん。RICE MEDIAのトムさんがMCとしてお二人から新時代の子育てのヒントを探ります。
もしも点数が低いテストを子供が隠していたときにかける最初の言葉は?
小助川さん「(テスト結果を見つけてしまったときには)なにか言いづらかった理由があるのか、家に帰ってきて違うことに夢中になって忘れただけなのか、ということを『テストどうだった?』などのオープンな質問で反応を見ると思います」
トムさん「反応を見た上でばつが悪そうな様子だったら、どう声をかけていけばよいでしょうか?
また子供からすると『もしかしたら隠していたテストを見られた?』みたいな不安も同時に感じそうだなと」
小助川さん「この場合は、テストを見つけていることは言わないです。
それを前提としてばつが悪そうな反応が返ってきた時には、『自分の思い通りの結果じゃなかったの?』などの声かけをすると思います。
やり取りの意図は、子供自身が自分の中で“テストを見せなかった”ことをどう捉えているのか、そこの事実をちゃんと理解することです。
問い詰めるとたぶん、だんだん『ヤバイ!』と思って隠す子になっていきます。
難しいですが“心理的にここは(家庭は)大丈夫なんだよ”と伝えられるようにするんです。
親の価値観は押しつけるのではなく、基本的には“子供への問い”だと考えています。
人は問いを貰うことでその問いに答えようとして脳みそで考え始めるので、そこに対して自主性・主体性が生まれてきます」
「そもそも点数が低い」って基準を誰が決めた?
小林さん「私はそもそもこの質問にある、点数が低いってところがちょっと引っかかっています。この低いって誰が決めたんだろうなと。
私は学校のテストが本当に2点とかだったんです。適当に書いておいたものが当たっただけという感じです。そのため10点でも私は『お、10点じゃん! 高い!!』という感じです」
こういったマインドになれているのは、小林さんが幼少期に接したお母さんの影響が大きいようです。
小林さん「私は親から『これ点数めっちゃ低いじゃん』とか言われたことがないです。そもそもテストを出してと言われたことがなかったです。
点数の低い、高いにかかわらずもしもテストを隠したとしたら、私も小助川さんが言ったように何か思いがあると思います。
いつもよりも頑張ったのに点数が低かったら、やはりちょっと落ち込むじゃないですか。
そういうところを親御さんがくみ取ってあげて『あ、頑張ったんだ。前は2点だったけど、10点だからすごくない?』みたいな話を出来たらいいのかなと思います」
国が変われば、日本みたいなテストはほぼない?
小助川さん「私たち親世代は、ずっとテストも定期的にあったし、企業に入っても目標を数値で表されてることがあったり色々あるとおもいます。
多分親がずっとそういった環境に馴染んできているから、もしかしたらその常識をそのまま子供に届けてしまっているのかもしれないですね。
国が変われば、日本みたいなテストもないですからね」
トムさん、鈴江アナ「え、テストがないってどういうことですか?!」
小林さん「学校とかにもよると思うのですが、基本評価がAとか、Bとかそういった表現になるんです。
日本みたいに1位から123位まで明確に出るとかはあまりないかと思います」
小助川さん「偏差値に対しての考え方も日本は独特です。
『あなたはこの偏差値だから、この高校受験は難しいから、少しランク下げてこっちの偏差値の高校に行ったら?』みたいな進路指導が行われるのはほぼ日本だけです」
小林さん「ビリギャルの正確なタイトルが『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』なんですけど、実は偏差値とか現役合格みたいな表現の英訳が難しかったりもします笑」
■大切なのは子供がどう思っているかを受け止めること
鈴江アナ「私は今回のシチュエーションに対して一言目で『伸びしろいっぱいだね!』と声掛けするかなと思いました。
点数が低かった時にそれが悪いことじゃないということを伝えたいという気持ちが親としてあったためです。
でもこの言葉には『悪いことをポジティブに変えなきゃ』という自分の価値観や、意思がすごく働いてしまっていたなと思いました。
基本的には子供がどう思っているかを受け止めることがやはり大事なんですね」
小助川さん「子供の気持ちを受け止めたうえで例えば『自分は頑張ったのにやっぱりできなかった』と落ち込んでいる状態なら、鈴江さんの声掛けが子供にとっては発想を切り替えるきっかけになると思います」