遊び・学び・働くを越えて“新時代の学びの形を届ける”SOZOW代表に、デジタルを用いた学びの機会について教えて貰う
今回のゲストは、SOZOW株式会社・代表取締役の小助川 将さん。メタバース空間で子供達が交流し、学びや習い事の機会に触れることが出来るSOZOWの取り組みに“1分間で社会を知る動画”を掲げる「RICE MEDIA」のトムさんが迫りました。
様々な学びの形を自分たちで作るSOZOW
小助川さん「新時代の学びを届けるスタートアップです。
コンセプトとして『1人1人の持っている好奇心や、好きを学びにしていき、そこから1歩を踏み出して、自分で未来を作っていける』ことを届ける事業を展開しております。
子供達は全国各地からSOZOWのメタバース空間に集まるという形で学びます。
朝10時にメタバースキャンパスに集まってきたら、午前中は自分でメタバースキャンパスで教材を開いて勉強をやっていきます。
午後の部では本当にいろいろな(学びにつながる)ライブ配信があります。
好きなもので仲間と繋がることが可能です。いろんなグループ活動、探究活動を進めるような時間もあったりします。
小学校4年生から中学校3年生までで、約600名が通っています」
トムさん「オンラインで自分で教材を開いて勉強するということなのですが、ここにも何か工夫があるのでしょうか?」
小助川さん「実は5教科の勉強には“エドテック教材”を使っています。教育×IT(=エドテック)で自社で用意した独自のコンテンツを提供しています。
アニメで学んだり、動画で学んだりインプット型の学びで、どういう知識を増やしていくのかは子供達がセレクト出来るようになっています」
学校の代わり、塾の代わりデジタルで広がる可能性
小助川さん「SOZOWスクールは平日の昼に行っています。学校の学びが合わない人達向けにサービスを提供しています。
近所の学校に在籍しながら、学びはSOZOWスクールで行うという位置づけになり、卒業認定を取ることも可能です。
子供達の好奇心を引き出すために、特に午後のブロックでは大きく2つの工夫をしています。
1つめがアウトプットから学ぶということです。従来の学校では先生から教えて貰うインプット型の学習が基本になっています。
SOZOWスクールでは、自分からアイデアや意見を出すアウトプットをすごく大切にしています。
誰かの作品とかにコメントするとか、自分でも作品を作ってみるというアウトプットを通じて、自分が他者からどういう人間か認知されますし、周りからのフィードバックや反応を貰うことが出来るためです。
そうすると、『次はこうしてみよう!』とやはり次に繋がる経験、学習サイクルが回っていきます。
2つめに大切にしているのが、正解・不正解のある問題や問いをあまり出さないようにしていることです。
『失敗は悪いことじゃないよ、失敗は次につながる成功のもとだよ』と学んで貰うことが、すごく大事だからです。
正解のない問いを集まった生徒や、スタッフも一緒に考えていく、すると数百人が参加していると本当にいろいろなアイデアが出てきます。
『いろいろなアイデアがあってOK、いろいろな正解が世の中にはあるんだよ!』ということを伝えるためにも、正解のない問いをどんどん出していくことは大事にしています。
また、SOZOWパークというサービスでは、さまざまな習い事の機会を届けています。
例えば、マインクラフトというゲームを用いたプログラミングや、動画編集、WEB3Dデザインなどの習い事が学べるという内容です」
遊び・学び・働きの垣根を越えたい
小助川さん「私たちはこれまでの世界で「遊ぶ・学ぶ・働く」が分断されていたと考えています。
なのでそういった垣根を跳び越えたいと考えています。
例えば、SOZOWスクールの小・中等部では、“SOZOWコイン”という仕組みがあります。
探究活動の時間で『僕はデザインが得意だから、お絵描きとかイラストをやってみたいという子供たち集まれ』といった呼びかけがあったとします。
その活動に参加した後に『イラストの描き方を教えてくれてありがとう』と感謝の気持ちを表すためにSOZOWコインを送るという仕組みがあります。
お金は誰かを笑顔にしたり、誰かを楽にしたり、ハッピーにすること、その感謝の対価がお金だということが感じられるようにしているんです。
それが社会の仕組みですし、人間が発展してきたのも、その仕組みのおかげだと思っています。
なので、小中学生向けにSOZOWコインという仕組みを取り入れています」
トムさん「SOZOWコインはどのくらいの単位でやり取りされるんでしょうか? また集めると、どんなことが出来るのでしょうか?」
小助川さん「コインは感謝の証しとして渡すという形で始めたので、実はサンキューで“39”で取引されることが多いです(笑)。
SOZOWコインを一定数貯めると、Amazonギフトカードと交換することが可能になります。
ちょっと数値として自信がないのですが、私の記憶だと10万円分くらいのギフトカードに交換したという子もいたりします。
まだまだ試行錯誤中なのですが、実際の社会のような環境で子供達に学んで欲しいというのを目指して取り組んでいます」
実体験から生まれたSOZOWとその先
小助川さん「実は10年ほど前は、教育に特に関心があるというわけではありませんでした。
きっかけは、長女でした。
長女の小学生時代に学校の先生と相性含め、たまたま合わないということが起きました。
学校に行きたくないとか、学校に行っても保健室に行っていたりというようなことがありました。
そんな時に授業参観などの機会で学校を訪問すると、私が小学生だった昭和時代と、基本的な仕組みとかが変わってないと思いました。
そこで課題意識を持ったと同時に、実は先生たちが悪いわけでもなく、やはり仕組みの問題だということにすごく気づいたんです。
そこから、子どもたちの教育や、子育ての領域に関心を持ち、今のSOZOWの事業につながっております」
トムさん「SOZOWの事業で次に目指したいところ、野望とかはありますか?」
小助川さん「その質問待っていました!(笑)。今後特に力を入れていきたいと考えているのが、コンセプトにしているエデュテイメントです。
エデュテイメントは、学ぶ(education)と遊ぶ(entertainment)を組み合わせた言葉です。
私たちはいろいろなコンテンツを自社でも作っているし、いろいろな企業とコラボレーションして作ってもいます。
エデュテイメントをいろいろな自治体・ 教育委員会・学校・学習塾など、世の中にあるいろいろなプレイヤーの皆さんと手を取り合って、未来を担い創造していきたいです。
私たちのコンテンツだったり、ノウハウとかもプレイヤーの皆さんに使ってもらえたら、さらに社会の選択肢が増えて、子供たちのウェルビーイングも高まって、いい社会になるんじゃないかなと考えています。
なので、今年以降のテーマはいろいろなプレイヤーとコクリエーション(共創)していくことだと考えています。
また昨年は、私たちのエデュテイメントコンテンツを日本からインドなどの小中学生にもトライアルで届けたりしています。
日本だけではなくインド・フィリピン・インドネシアなどの国々の子供達にも、日本の子供たちと同じ好奇心や好きを探せるようにしたいです。
やはり各国の文化がデジタルを通じて、すごく似てきているというところがあると考えています。
世界中の子供たちと、日本の子供たちが繋がって、いろいろな活動ができるような社会を将来的には作りたいと思ってます」
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本記事は、日テレNEWS NNN YouTubeチャンネルメンバーシップ開設記念番組「the SOCIAL season1」の発言をもとに作成されています。