再生医療を続ける7歳 りおなちゃん手術を前に新たな挑戦も……語学を勉強 “夢”は家族旅行『every.16時特集』
りおなちゃん
「もしかしてさ、パパってこんな状態のママにご飯作ってもらうの待っちょる??」
父 裕一さん
「…うん」
りおなちゃん
「ええっ~いやさぁせめて1日ぐらいは代わってあげようと思わんの!?」
父 裕一さん
「思とる」
りおなちゃん
「思とるなら作れよ…」
パパにキツ~イツッコミをするのは、りおなちゃん、7歳。SNSの登録者数が約145万人という人気者です(YouTube「ちいりおちゃんねる」より)。
日頃の生活は車椅子。every.は、2023年の春から密着取材を続けています。
6月、りおなちゃんは新たな挑戦をしました。
りおなちゃん
「いよいよ結果発表、すごいドキドキ…でも楽しみ」
その結果に、思わず、涙…。
りおなちゃんは2歳半の時、背骨が左右にわん曲し、ねじれをともなう側弯症(そくわんしょう)と診断されました。
4歳半で急激に進行したためリスクを承知で手術を行います。側弯症の進行は止まりましたが、手術中に脊髄を圧迫したためか胸から下に麻痺が残りました。
2023年から取り組んでいるのが、再生医療。培養した自分の幹細胞を体に戻し、同時にリハビリを行って脊髄などの損傷の回復を目指しています。(脳梗塞・脊髄損傷クリニック 提携大阪院 福永記念診療所/大阪市)
この1年間続けていた再生医療に、ある変化がありました。これは、綿棒を使って体のどこまで感覚があるのか確かめる検査。
診療所スタッフ
「コショコショってされたら教えてね。これは?」
りおなちゃん
「さわってない」
診療所スタッフ
「これは?」
りおなちゃん
「さわった」
診療所スタッフ
「おーすごいね!いいね、徐々におりてきているね」
以前よりも感覚が戻ってきているといいます。
貴宝院 永稔 医師
「だいぶ伸びてきたね」
「(以前は)胸のあたりもわからなかったのが、おへその上くらいまで感覚がわかるようになってきている」
この変化にお母さんとお父さんは…
母 佳寿美さん
「ちょっとでも感覚が下がってきたりとか動きが出てくると、素直にうれしいです」
父 裕一さん
「全然、言葉出ん…がんばろうな、りおちゃん」
りおなちゃん
「うん。がんばろ。ママもね」
一歩ずつ…でも確かな手応えを感じていました。
さらに、りおなちゃんは新しい挑戦を始めていました!
スタッフ
「りおなちゃん、いま何の勉強しているの?」
りおなちゃん
「これは韓国語の勉強です」
なんと韓国語の勉強を始めたそう。
りおなちゃん
「簡単な文章はしゃべれます」
ずいぶん自信がありそう。ではそのお手並み拝見!
りおなちゃん
「(〜韓国語〜)私の名前は、りおなです。今韓国語の勉強をしていました。そして好きな食べ物はお肉です。よろしくお願いします」
韓国語で自己紹介する、りおなちゃん。韓国語を始めたわけは、記号のような文字の形に興味をもったから…だそう。
それはSNSでも…
りおなちゃん
「りおちゃんの韓国語講座やっていきたいと思います」
父 裕一さん
「すごいやん」
りおなちゃん
「(早口で韓国語)」
母 佳寿美さん
「なんていよん…」
父 裕一さん
「お前…なにそれ?」
母 佳寿美さん
「合っとるか、合ってないか全然わからん」
父 裕一さん
「こっちで判断付かん、どういう意味なん?」
りおなちゃん
「妻が夫に望む一言って知ってる?『そっかそっか』なんだっていう意味」
母 佳寿美さん
「いつ使うん?」
父 裕一さん
「お前それ…」
――と、韓国語でも動画を公開。視聴した人から「りおな先生、授業とても面白いです」など韓国語のコメントが集まり、りおなちゃんの新たなモチベーションにもなっているといいます。
さらに、お母さんのスマホで…
スタッフ
「これは、りおなちゃんが打った?」
母 佳寿美さん
「そうですそうです」
お母さんの知り合いの韓国人たちと、韓国語でやりとりし勉強をしているそう。すると…
りおなちゃん
「新しいLINE来てる」
スタッフ
「新しいの来てる?」
りおなちゃん
「イリョイル ヒムネソ…『日曜日、頑張って』って送られてきた」
実は、りおなちゃんは翌日の日曜日にハングル能力検定の試験を控えていたのです。受けるのは基礎の5級。そこには、りおなちゃんの夢がありました。
りおなちゃん
「ぜったい受かって韓国旅行、行くぞ!おー!」
韓国語を話せるようになって、りおなちゃんの通訳で家族旅行に行くのが夢です。
そして翌日…
りおなちゃん
「今はドキドキしてない!」
りおなちゃん、人生で初めて受ける検定試験。どうなるでしょうか?
――3週間後。小学校から急いで帰ってきた、りおなちゃん。
りおなちゃん
「ただいま」
この日は、ハングル能力検定の結果発表の日です。
りおなちゃん
「いよいよ結果発表。すごいドキドキ。でも楽しみ」
合格点は60点以上、さて、その結果は?
りおなちゃん
「せーの!」
母 佳寿美さん
「あー受かってる!」
りおなちゃん
「あ~!!」
母 佳寿美さん
「受かった! やったね!」
そこには「合格」の2文字が。しかも合格点を大きく上回る90点での合格です。
りおなちゃん
「よかった…受かっとると思っとったけど…結果見て、安心した。すごくうれしい」
母 佳寿美さん
「よかったね」
りおなちゃん
「うん」
治療やリハビリの日々でも泣かない、りおなちゃんの目に一粒の涙。
母 佳寿美さん
「歩けなくなってすぐの時とかは、何もできなくなった感があったんですけど、歩けないなかでもできることを見つけて伸ばしていけているので、すごくうれしい」
自分で道を切り開いていく、りおなちゃん。しかし先週、SNSにお母さんからの投稿が。
「今後、手術が必要になる見通しです」
2年前の側弯症の手術の時に、背骨を固定するために入れた金属が今、2本とも折れているといいます。
8月、りおなちゃんは再び、手術を受けることに。お母さんがevery.にコメントを寄せてくれました。
――手術の報告以来、たくさんの応援と励ましのメッセージをいただきありがとうございます。前回の手術から2年がたち、成長したぶん、娘も今回は不安や恐怖をより強く感じているようですが、 皆様からのコメントに勇気づけられて、なんとか手術に挑もうとしています。手術を無事に終え、また笑顔でお会いできる日を目指して家族一同頑張ります!
(7月31日『news every.』16時特集より)