【BBQ火災で学生4人死傷】理事長が初めての会見で語ったこと 調査報告書「順法意識・危機管理意識の欠如」「閉塞した組織風土」 福岡
2023年5月、福岡県柳川市の専門学校でバーベキューの火が燃え移り学生4人が死傷した事故です。発生から1年以上たった4日、学校の理事長が初めて会見を行いました。責任を問われて、語ったこととは。
4日午後、福岡県庁に姿を見せたのは、柳川市のハリウッドワールド美容専門学校の古賀英次理事長(65)です。
2023年5月、学校の敷地内で、バーベキューの火が4人の学生に燃え移った事故。火が消えかかっていたコンロに、職員が消毒用のアルコールを入れたことで爆発的に炎上し、学生3人がやけどを負い、当時18歳の男子学生1人が死亡しました。
警察は、ことし1月、古賀英次理事長と2人の男性職員を、業務上過失致死傷の疑いで書類送検しました。古賀理事長は火起こしのため、バーベキューでアルコールを使用することを決定した疑いです。
■元木寛人アナウンサー
「事故から1年余り、古賀理事長が初めて公の場に姿を見せました。」
学校が設置した第三者委員会は4日、報告書を学校側に提出しました。
■中馬充子委員長
「古賀理事長の順法意識や危機管理意識のまひ、欠如が相まって引き起こされた重大事故。」
報告書によりますと、古賀理事長がアルコールの使用を発案し実行したこと、また、職員から理事長に対して反対意見が出なかったことなどが事実として認められました。
また、その背景には「理事長には何も言えない」といった、風通しの悪い、閉塞した組織風土が原因の一つだと指摘されました。
■古賀理事長
「被害に遭われた生徒並びに、ご家族の皆様に対して、この場をお借りしまして改めて深くお詫びを申し上げます。」
古賀理事長は謝罪の言葉を口にしました。
■元木アナウンサー
「学校のトップとして発言することはできたと思いますが公で説明する機会を設けなかったのは。」
■古賀理事長
「事故当初はまだ情報が錯綜していて、生徒のケガ、心のケア、ご遺族への対応にあたっていた。」
■元木アナウンサー
「遅かったという認識は。」
■古賀理事長
「ございません。」
第三者委員会の報告を待ち、情報を整理した上で会見を開く予定だったと話しました。
また、事故の原因となったアルコールの使用を決定したことについて問われると。
■古賀理事長
「私自身は危険なものだということは認識していました。私だけで目の届く範囲で火おこしの作業に使えば危険ではないと、その時は判断したわけです。」
その上で、職員がアルコールを注ぐ判断をした責任について問われると。
■元木アナウンサー
「職員がアルコールを注いだ背景に、何らか加担したのか、それとも職員が自身の判断でやったという認識か。」
■古賀理事長
「職員に聞かないと分からないことじゃないかなと思う。」
■元木アナウンサー
「職員を追い詰めたとは。」
■古賀理事長
「感じておりません。」
職員の判断でアルコールを注いだと話しました。
学校の行事中に学生の命が失われた今回の事故。
■古賀理事長
「ご自身の責任はどこにあるとお考えですか。」
■古賀理事長
「この学校で起こることについては、ここが自分の責任だと一口にいうことはできませんが、わたしの不徳の致すところだと思っています。」
4日付で辞任を発表した古賀理事長。今後は、自らが去った新しい体制で、調査報告書をもとに再発防止策を考えてほしいとしました。