2023年12月、福岡県うきは市で高齢女性の自宅に訪問しネックレス1本を盗んだとして、31歳の男が逮捕されました。被害者の話から見えてきたのは、“いつ盗られたか分からない”巧妙な手口でした。
窃盗の疑いで逮捕されたのは、福岡市中央区の会社員、塩谷隼人容疑者（31）です。
警察によりますと、塩谷容疑者は2023年12月、福岡県うきは市の住宅で、金製のネックレス1本30万円相当を盗んだ疑いです。
塩谷容疑者は貴金属の買い取りをうたって83歳の女性の家を突然訪問し、査定作業をするなかでネックレスを抜き取ったとみられています。
塩谷容疑者は窃盗グループのメンバーとみられていて、警察によりますと、このグループによるとみられる窃盗被害は福岡県内で去年から16件、およそ400万円に上ります。
塩谷容疑者は同様の手口による窃盗容疑で5月に逮捕されていて、その事件で被害に遭った70代の女性が25日、取材に応じました。
■被害に遭った70代の女性
「裏の勝手口の方から声がしたんですよ。紳士的でしたよ。背広も着てぴしゃっと。玄関に入った途端に、私は有田焼が好きだから、ものすごく褒めるんですね。あなたは査定もするのって聞いたら、はいって言われたんです。」
貴金属の査定を申し出たという塩谷容疑者。名前や会社名は名乗りませんでした。査定作業のなかで女性が盗まれたのは1本5万円相当のネックレスです。亡くなった夫との大切な思い出の品でした。
■被害に遭った70代の女性
「他はないですか、他はないですかと何回も何回も。1個ずつ持ってきたその時にとったんだろうと思っています。分かりません。歯がゆくて、歯がゆくて、後から頭がぐちゃぐちゃでした。」
警察によりますと、訪問買取を巡る相談件数は県内で年々、増加しています。中でも、一人暮らしの高齢者がトラブルに巻き込まれるケースが相次いでいるといいます。
塩谷容疑者は「高齢者の家を狙いました」などと話し、容疑を認めているということです。警察は余罪の有無についても調べています。
