韓国で44年ぶり「非常戒厳」→解除 福岡で不安の声「きょうしか行けない」「家があるので」
韓国では3日夜、大統領によって「非常戒厳」が宣言され、国会などが大混乱に陥りました。「非常戒厳」は4日朝に解除されましたが、福岡から韓国へ向かう人からは不安の声が聞かれました。
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は3日夜、野党が「体制の転覆を企てている」と指摘し、44年ぶりとなる「非常戒厳」を宣言しました。
■FBSソウル特派員・西山聡記者
「国会前には、国民に対して集まるよう呼びかける、そういう声が上がっています。」
「非常戒厳」の宣言を受け、一時的に政治活動が禁止され、国会には「戒厳司令部」の部隊が展開して建物内に進入するなど、大混乱に陥りました。
その後、「非常戒厳」の解除を求める決議案が可決されたことを受け、尹大統領は4日朝、憲法の規定に基づき、戒厳を解除しました。
福岡から韓国へと向かう人たちに話を聞きました。
■釜山(プサン)に行く人
「最初はどうかなと思っていたけれど、前から予定していたし、きょうしか行けないので。(行き先が)ソウルでなくてよかった。」
一方、韓国から一時帰国していた娘を見送りに来ていた母親は、不安を隠せません。
■見送りに来た母親
「娘が行って大丈夫かなと不安はあったが、けさになったら解除になっていた。もしそのままだったら韓国に帰れなかったかもと言っていた。心配です。」
■韓国に帰る娘
「韓国に住んでいる日本人としては非常戒厳の気配はなかったので、きのうニュースを見て驚いた。不安だが、家が韓国にあるので行くしかない。」
今後、尹大統領に対する弾劾訴追案が可決される可能性もあり、韓国国内の混乱はしばらく続きそうです。