【注意】福岡で3年ぶりに「はしか」確認 どんな症状が? 世代によって違うワクチン接種状況
福岡県内で3年ぶりに感染が確認された「はしか」についてお伝えします。感染が確認されたのは、県内に住む10歳未満の男の子です。11月23日にベトナム・ハノイから福岡に帰国し、翌日に発熱しました。検査の結果、11月29日にはしかの感染が確認されました。現在も入院中ですが、快方に向かっているということです。男の子にワクチンの接種歴はなく、ベトナムで感染したとみられます。
そもそも、「はしか」とはどういう病気なのでしょうか。感染すると、およそ10日後に発熱やせき、鼻水といった風邪のような症状が現れます。2~3日、熱が続いた後、39度以上の高熱が出て、口の中に白い斑点が出現したり、全身に赤い発疹が広がったりします。1週間から10日ほどで回復しますが、肺炎や中耳炎、脳炎などの合併症を引き起こすことがあり、1000人に1人が死亡すると言われています。
「はしか」の特徴の一つが、極めて強い感染力です。「はしか」はせきやくしゃみなどの飛沫や接触による感染だけでなく、空気感染もします。つまり、発症している人と同じ空気を吸うだけで感染することがあるということなんです。免疫がない集団に1人発症者がいた場合、この人から何人に感染するか比べると、インフルエンザは1人から2人ですが、「はしか」は12人から18人と、感染力が桁違いに強いことが分かります。
感染拡大を防ぐため、どのように対策すればよいのでしょうか。福岡市城南区にあるしんどう小児科の進藤静生院長は「はしか」の感染拡大を防ぐ手立ては1つだと指摘します。
■しんどう小児科・進藤静生院長
「ワクチンがすべてですね。一般的には2回打っていれば防げるのではないかと言われています。体調が良くないときとか条件が加われば別かもしれませんが、一般の方は予防接種を2回していれば恐れることはないと思います。」
「はしか」は感染力が極めて強いため、手洗いやマスクのみで防ぐことはできず、ワクチンが唯一の予防手段です。ただ、予防接種は世代によって接種状況が違います。
厚生労働省によりますと、2000年4月2日以降に生まれた人は、定期接種として2回のワクチン接種を受ける機会があります。それ以前に生まれた人は1回、もしくは定期接種の機会がなかった人になります。
ただ、2回接種していても時間が経って免疫が低下するケースもあるということです。
■進藤院長
「1回、抗体を見るなり、必要があれば予防接種を追加をするなりされた方がいい。」
進藤院長は自分が何回接種したか分からない人は、抗体検査を受けることを勧めていて、かかりつけの医療機関に相談してほしいと話していました。