【異変】12月なのに暖かい 紅葉の名所ようやく見頃に ことしは「最も暑い秋」だった デパートの売り場にも変化 福岡
12月になりましたが、3日の福岡県は11月上旬から中旬並みの暖かい1日となりました。ことしは夏が過ぎても気温の高い日が多く、観光地やデパートでは異変が起きています。
紅葉の名所として知られる、福岡県朝倉市の秋月城跡を訪ねました。
■元木寛人アナウンサー
「かなり色づいていますね。」
■秋月観光協会・井上賢治さん
「やっとですね。やっと色づいてきました。今が一番いい時期じゃないですかね。」
赤やオレンジの鮮やかなグラデーション。秋月は12月に入ってようやく「秋」真っ盛りです。
■井上さん
「色が深くなったのは、2・3日前くらい。寒くなってからですね。山々がにぎやかになって、やっと冬を迎えられるかなと。」
秋月観光協会によりますと、例年は11月の半ばに色づくモミジですが、ことしは暑さの影響で見頃が1週間から10日ほど遅くなっているといいます。
福岡管区気象台は2日、九州北部のことし9月から11月の平均気温が、平年と比べ2.7℃高かったと発表しました。秋の気温としては1946年の統計開始以降、最も高くなっていて、気象台は「異常気象」との見方を示しています。
この「異常気象」の”たまもの”でしょうか。秋月では、ことしならではの光景が広がっていました。
■元木アナ
「上が黄色いイチョウで、その下に赤いモミジ。」
例年はイチョウの葉が落ちた後にモミジが色づき始めますが、ことしはまだイチョウが散っておらず、モミジと同時に楽しむことができます。
■訪れた人
「きれいですね。葉っぱが舞うところを撮ろうかなと。」
「きょうはたまたま来られた。(紅葉が)もってくれたのは、ありがたい。」
ようやく見ごろを迎えた紅葉に、飲食店からは期待の声が上がっています。
■黒門茶屋・原口仁志さん
「(例年)12月の1週目は紅葉のピークを過ぎているので、もう少し静かな秋月。今は個人のお客さんや、インバウンドのお客さんが増えている。」
12月に入っても続く暖かさ。3日も県内各地で気温が上がり、日中の最高気温は北九州空港で18.8℃、久留米市で18.4℃、福岡市で17.5℃と、11月上旬から中旬並みの暖かさとなりました。
街の人たちも季節外れの暖かさに戸惑いを隠せません。
■街の人
「適度な寒さは必要です。季節感を味わわないといけないから。」
「私にとっては暖かい。だからジャンバー脱いでいる。冬は冬らしくなってほしい。」
「あんまり寒いと思いません。コートは着てきたけれど、暑いかなと。(ダウンを)買ったけど、着ると暑すぎるから着ていないです。」
「異常な暖かさ」にデパートの売り場にも変化が起きています。
■中村安里アナウンサー
「こちらの売り場を見てみますと、ダウンなどのアウターよりも、薄手のニットや羽織ものが多い印象です。」
気温がなかなか下がらない中、店内ではまだ薄手のグッズが目立ちます。さらに、今の時期に売れているものを尋ねました。
■中村アナウンサー
「暖かい。上のベストの部分は、ふわふわも付いていて防寒できます。」
■博多大丸 広報担当・箱崎純史さん
「少し暖かいな、車の移動が多いなという時は脱いでいただく、非常に便利なコートです。」
今人気だというのが3WAYアウターです。ベストのみ、コートのみ、そしてすべて着用した状態と3パターンの着回しができます。
暖かい日が続いた11月は、温度調節をしやすいジャケットやブルゾンの売れ行きが好調だったといいます。一方で、ウールやダウンのコートは伸び悩みました。
■箱崎さん
「気候の変化に合わせて、売り場の態勢や品ぞろえを工夫するのが、この数年苦慮している状態です。(この先)しっかり冷え込んで、クリスマス、忘年会といったイベントもあるので、お買い物も楽しんでいただければ。」
今週末には強い寒気が流れ込み、内陸では雪になる所もある見込みで、福岡にも本格的な「冬」がやってきそうです。