旧優生保護法のもと、不妊手術を強制されたとして、聴覚障害のある福岡県内の夫婦2組が、国に損害賠償を求めていた裁判で、和解が成立しました。

この裁判は、聴覚障害のある福岡県内の80代の女性と70代の夫婦が、旧優生保護法のもとで夫が強制的に不妊手術を受けさせられたのは憲法に違反するとして、国に損害賠償を求めたものです。

80代の女性の夫は3年前に亡くなりました。

この2組の夫婦の裁判で28日、国が福岡高裁で争っていた80代の女性側に約2000万円、福岡地裁で争っていた70代の夫婦に約1700万円を支払うことで和解が成立しました。

旧優生保護法をめぐっては、ことし7月、別の原告の裁判で最高裁が憲法違反だと判断し、国に賠償を命じる判決を言い渡しました、

和解成立後に開かれた記者会見で、80代の女性は、これまでを振り返り、「子どもがつくれなくったことが分かって、本当にショックで悲しかったが、我慢して夫婦2人頑張ってきた。本日裁判が終わり、あの世にいる主人に報告したい」と手話で、支援者などに感謝の気持ちを伝えました。