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東日本大震災14年 「震災の記憶を風化させない」 福岡でも思い新たに

2025年3月11日 17:53
東日本大震災14年 「震災の記憶を風化させない」 福岡でも思い新たに

東日本大震災の発生から3月11日で14年になります。全国各地で鎮魂の祈りが捧げられました。「震災の記憶を風化させない」と、福岡でも次の世代に受け継ぐための取り組みが行われています。

3月11日午後2時46分。東日本大震災の発生時刻に合わせて、福岡でも各地で黙とうが捧げられました。

福岡市中央区天神にある岩手・青森・秋田の東北3県のアンテナショップ「みちのく夢プラザ」では11日、東北出身のスタッフらが犠牲者を悼みました。

■岩手県福岡事務所・土井尻英明 所長
「(震災発生後)岩手の沿岸の惨状を目の当たりにして、非常につらい思いをしておりました。もう大体(ハード面の)復興は果たしたんですけれど、まだ被災者も行方不明の方々もたくさんいるという中で、心のケアというのは非常に大事になっています。」

巨大な津波が東北沿岸を襲った14年前の東日本大震災では、あわせて1万5900人が死亡し、現在も2520人の行方が分かっていません。

一方で避難生活などで震災に関連して亡くなった人は、3808人に上っています。

福岡市中央区の天神中央公園では、特別な思いで、この日を迎えた人たちがいました。

■森山英明さん
「ちょうど14年前、俺たちですることはないかと仲間で話をしたら、復興支援になることはないかと。」

福岡県福津市の森山英明さん(85)です。

被災地の岩手県大船渡市で作られた鎌を100本買い取り、2011年の5月から毎月11日、その鎌で天神中央公園の草刈りをしています。

■森山さん
「(毎月)11日が来たら、しゃんとしてやっています。」

北九州市は、同じ製鉄の町として、岩手県釜石市に、震災後10年間にわたって、延べ454人の職員を派遣してきました。

■藤木小学校の教員
「はい、配ります。」

北九州市若松区の藤木小学校では11日、学校に備蓄されている非常食を児童たちに配布しました。

北九州市では、防災への意識を高めようと、5年前から市内の小学校と釜石市を結ぶ交流が続いています。

■藤木小学校 6年生・岩佐和明さん
「できなかったことを聞くことができて、それをしていきたいと思いました。」
■藤木小学校 6年生・野田怜音斗さん
「地域の方にも知り合いを増やして、避難する時にしやすいようにしていきたいです。」
■藤木小学校・外山典子 校長
「きょうだけでなく、自分たちの命を考える教育を1年間かけて行っています。今生きていることがどういうことなのか、真剣に考えていってもらえたら。」

過去の教訓を受け継ぐ取り組みも行われる中、今私たちにできることは。

■街の人
「段ボールの水を1箱買って(家に)置いています。」
「飲み水や食料を備蓄するのと、避難経路を家族同士で確認し共有しています。」
「『(備蓄を)しなきゃしなきゃ』と思いながら、ついつい先延ばしになっています。」
「備蓄という観点からみると(備えて)ないかもです。」

福岡市が昨年度行った調査によりますと、災害に備えて水や食品などを備蓄している家庭は、43.8パーセントで半数に届いていませんでした。

備蓄について考えるきっかけになってほしいと、福岡県うきは市には、あるものがあります。

■中村安里アナウンサー
「ありますね、自動販売機。天使のおむすびと書かれています。長期保存可能とありますが、どのくらい持つのでしょうか。」

■エイティーファーム・佐々木浩喜 代表取締役
「備蓄米のおにぎりを、常に災害用として置いています。」
■中村アナウンサー
「どれくらい持ちますか。」
■佐々木 代表取締役
「5年5か月は。」

菌が繁殖しないように一定の温度で加熱を続けるなどの工程を経ることで、長期保存を可能にしているということです。防腐剤や保存料は使っていません。調理は不要で、袋を開けるだけで、すぐ食べられます。

■中村アナウンサー
「かなりしっとりしていて、食感はちまきのような感じです。ほんのり塩味もあって冷たくてもおいしいです。」

■佐々木 代表取締役
「少しでも手助けになることが願いなので、全国におにぎりが知れ渡って、備えにしてもらったらいいなと思います。」

地震は、福岡でもいつ起きるか分かりません。いま一度、備えなどを見直すことが大切です。

最終更新日:2025年3月12日 13:27
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