特集「キャッチ」困難を乗り越え復興へ タイの国際的アーティストが描く『旦過市場』
国際的アーティストが描く『旦過市場』
特集「キャッチ」です。北九州市小倉北区の旦過市場は、去年起きた2度の大規模火災から少しずつ復興し、にぎわいを取り戻しています。その旦過市場をテーマに、世界の美術展に数多く出展する国際的アーティストが作品を作りました。
タイ在住のナウィン・ラワンチャイクンさん(52)は、イタリアやイギリスなどの芸術祭に30年以上出展し、タイや福岡を拠点に活躍するアーティストです。
8月に北九州市役所を訪れたナウィンさんは、変わりゆく旦過市場の姿と歴史を残そうと、北九州市と共同で絵画と映像作品を制作し、展覧会を開催することを報告しました。
■タイ人アーティスト ナウィン・ラワンチャイクンさん(52)
「外から来て、小倉ってすごく気になって、すごく歴史もあった。自分の作品につなげて、やりました。本当の映画みたいじゃなくてドキュメンタリーみたいです。」
ことし3月、ナウィンさんは、娘とともに旦過市場を訪れました。
■かしわ屋くろせ・黒瀬善裕さん
「鶏肉店、かしわ店。から揚げとか焼き鳥とか、お総菜とか。」
100年以上の歴史がある旦過市場の店を回り、それぞれの魅力や歴史に耳を傾けていきます。
■黒瀬さん
「ここのお店は昭和46年からですので、50年ちょいくらい。」
■ナウィンさんの娘・ラワンチャイクン茉莉さん
「 2代目ですかね?」
■黒瀬さん
「僕は3代目。」
そして創業以来、変わっていない“自慢の味”を試食しました。
■ナウィンさんの娘
「やわらかいですね。」
■黒瀬さん
「しょうゆとショウガだけです、味付けは。」
老舗映画館『小倉昭和館』の館主、樋口智巳さんに会うのは、これが初めてです。
■ナウィンさん
「Fire? (火事で?)」
■『小倉昭和館』館主・樋口智巳さん
「ここは旦過市場の仮設店舗です。3年はこのままです。仮設状態が3年。」
ナウィンさんが制作に取りかかったのは、大規模火災が起きる1年前でした。
北九州市の依頼で、再整備事業で姿を変える市場を記録するためでした。
■ナウィンさん
「昭和館はすごく気になって、調べたら何十年も歴史がある。(去年、外観だけ)見た。次の日がね。いっぱい写真撮って、その日は休みだった。」
去年8月9日、市場を訪れたナウィンさんは小倉昭和館の中を見たいと思っていましたが、その日は休館日でした。
そして翌日、2度目の火災が市場を襲い、あわせて80店舗以上が焼け落ちました。
■ナウィンさん(通訳:娘 ラワンチャイクン茉莉さん)
「火事があっても誇りをもって(商売を)していることがとても伝わってきて、それを作品に落とし込めたらと思った。」
古い資料や旦過の人たちの証言をもとに、ナウィンさんは1年がかりで映像と絵画で旦過市場を表現していきました。
映像作品のナレーションは、旦過市場の人たちにお願いしました。
■黒瀬さんナレーション撮りの様子
「その店では、揚げたての鶏の唐揚げが味わえます。外はカリッ、中はふんわりしていました。」
■黒瀬さん
「難しいですね。ドキドキしました。(Q. 作品は楽しみですか?)楽しみです。」
そうして完成した1時間の映像作品に、新しく生まれ変わるという意味の『新生の地』というタイトルを付けました。
■映像作品の一部
「小倉を訪れた初日、『旦過』という名前の市場へ。」
「この店を有名にしたという名物料理の魚の天ぷら『カナッペ』の製造工程を見ることができました。」
「市場で働くさまざまな世代の人たちと話すことで、時代ごとに変化を重ねてきた市場の姿を垣間見ることができました。」
あの日、ナウィンさんが入ることができなかった小倉昭和館の思いにも触れました。
■映像作品の一部
「古い映画館の貴重な写真やネオン看板が、今回の火事で燃えてしまったことは非常に惜しまれますが、それでも映画館の看板など、なんとか焼けずに残ったものは、大切に保管されています。そして、たとえ残されたのもはわずかであっても、思い出は生き続けているのです。」
作品は今、北九州市戸畑区にある北九州市立美術館で公開されています。
小倉昭和館の樋口さんが、できあがった絵画を見るのは初めてです。
■樋口さん
「うわー大きい。すごーい。」
光に照らされて浮かび上がるのは高さ5メートル、巨大な絵画です。旦過市場を愛し、守ってきた人たちの姿が丁寧に描かれています。
■樋口さん
「(新生は)私たちの思いだけど、ナウィンさんの思いも込めてくれて、とっても光栄ですし、励みになります。」
■ナウィンさん
「この作品は旦過の歴史と小倉の歴史をつなげてる。この作品を見て、奮起と旦過の歴史の未来につなげてほしい。」
困難を乗り越え、旦過で生きる人たちの息づかいと力強さを描いた作品は、ことし12月17日まで北九州市立美術館で公開されています。
タイ在住のナウィン・ラワンチャイクンさん(52)は、イタリアやイギリスなどの芸術祭に30年以上出展し、タイや福岡を拠点に活躍するアーティストです。
8月に北九州市役所を訪れたナウィンさんは、変わりゆく旦過市場の姿と歴史を残そうと、北九州市と共同で絵画と映像作品を制作し、展覧会を開催することを報告しました。
■タイ人アーティスト ナウィン・ラワンチャイクンさん(52)
「外から来て、小倉ってすごく気になって、すごく歴史もあった。自分の作品につなげて、やりました。本当の映画みたいじゃなくてドキュメンタリーみたいです。」
ことし3月、ナウィンさんは、娘とともに旦過市場を訪れました。
■かしわ屋くろせ・黒瀬善裕さん
「鶏肉店、かしわ店。から揚げとか焼き鳥とか、お総菜とか。」
100年以上の歴史がある旦過市場の店を回り、それぞれの魅力や歴史に耳を傾けていきます。
■黒瀬さん
「ここのお店は昭和46年からですので、50年ちょいくらい。」
■ナウィンさんの娘・ラワンチャイクン茉莉さん
「 2代目ですかね?」
■黒瀬さん
「僕は3代目。」
そして創業以来、変わっていない“自慢の味”を試食しました。
■ナウィンさんの娘
「やわらかいですね。」
■黒瀬さん
「しょうゆとショウガだけです、味付けは。」
老舗映画館『小倉昭和館』の館主、樋口智巳さんに会うのは、これが初めてです。
■ナウィンさん
「Fire? (火事で?)」
■『小倉昭和館』館主・樋口智巳さん
「ここは旦過市場の仮設店舗です。3年はこのままです。仮設状態が3年。」
ナウィンさんが制作に取りかかったのは、大規模火災が起きる1年前でした。
北九州市の依頼で、再整備事業で姿を変える市場を記録するためでした。
■ナウィンさん
「昭和館はすごく気になって、調べたら何十年も歴史がある。(去年、外観だけ)見た。次の日がね。いっぱい写真撮って、その日は休みだった。」
去年8月9日、市場を訪れたナウィンさんは小倉昭和館の中を見たいと思っていましたが、その日は休館日でした。
そして翌日、2度目の火災が市場を襲い、あわせて80店舗以上が焼け落ちました。
■ナウィンさん(通訳:娘 ラワンチャイクン茉莉さん)
「火事があっても誇りをもって(商売を)していることがとても伝わってきて、それを作品に落とし込めたらと思った。」
古い資料や旦過の人たちの証言をもとに、ナウィンさんは1年がかりで映像と絵画で旦過市場を表現していきました。
映像作品のナレーションは、旦過市場の人たちにお願いしました。
■黒瀬さんナレーション撮りの様子
「その店では、揚げたての鶏の唐揚げが味わえます。外はカリッ、中はふんわりしていました。」
■黒瀬さん
「難しいですね。ドキドキしました。(Q. 作品は楽しみですか?)楽しみです。」
そうして完成した1時間の映像作品に、新しく生まれ変わるという意味の『新生の地』というタイトルを付けました。
■映像作品の一部
「小倉を訪れた初日、『旦過』という名前の市場へ。」
「この店を有名にしたという名物料理の魚の天ぷら『カナッペ』の製造工程を見ることができました。」
「市場で働くさまざまな世代の人たちと話すことで、時代ごとに変化を重ねてきた市場の姿を垣間見ることができました。」
あの日、ナウィンさんが入ることができなかった小倉昭和館の思いにも触れました。
■映像作品の一部
「古い映画館の貴重な写真やネオン看板が、今回の火事で燃えてしまったことは非常に惜しまれますが、それでも映画館の看板など、なんとか焼けずに残ったものは、大切に保管されています。そして、たとえ残されたのもはわずかであっても、思い出は生き続けているのです。」
作品は今、北九州市戸畑区にある北九州市立美術館で公開されています。
小倉昭和館の樋口さんが、できあがった絵画を見るのは初めてです。
■樋口さん
「うわー大きい。すごーい。」
光に照らされて浮かび上がるのは高さ5メートル、巨大な絵画です。旦過市場を愛し、守ってきた人たちの姿が丁寧に描かれています。
■樋口さん
「(新生は)私たちの思いだけど、ナウィンさんの思いも込めてくれて、とっても光栄ですし、励みになります。」
■ナウィンさん
「この作品は旦過の歴史と小倉の歴史をつなげてる。この作品を見て、奮起と旦過の歴史の未来につなげてほしい。」
困難を乗り越え、旦過で生きる人たちの息づかいと力強さを描いた作品は、ことし12月17日まで北九州市立美術館で公開されています。
最終更新日:2023年10月17日 11:24