【特集】離島から世界に羽ばたけ! 広島叡智学園高校で初の卒業式 海外の大学およそ30校に合格 広島・大崎上島町
世界で活躍するリーダーの育成を目指し、広島県大崎上島町に誕生した県立の中高一貫校で、初めての卒業式が行われました。親元を離れ、島で過ごした学校生活を終える生徒に話を聞きました。
大崎上島町の広島叡智学園高校では、開校以来初めてとなる卒業式が執り行われ、45人が巣立ちの日を迎えました。
叡智学園一期生として入学した熊丸玲之助(くままる・れいのすけ)さん。6年間をともにすごした仲間たちともお別れです。
■広島叡智学園高校 卒業生・熊丸玲之助さん
「ここまで一緒にすごしてきた同志たちと別れてしまうのは寂しいなという気持ちと、これから待っている大学生活にワクワクしている。」
期待に胸を膨らませた新生活
熊丸さんの自宅は三原市。6年前に取材していました。まだ幼さの残る12歳の少年が、慣れない手つきでネクタイを締めていました。
■熊丸玲之助さん(当時12歳)
「新しい学校だから、どのようにいい学校になるのか。自分が先輩になってできるので、そこに期待がある。」
叡智学園は、世界で活躍する人材の育成を目指し、2019年に開校した県立の学校です。全寮制の中高一貫校で、国内外の大学への進学資格を得られるプログラムを導入しています。親元を離れる子どもたちの不安そうな姿がありました。
特に力を入れているのが、英語教育です。世界に通用するスキルを身につけるため、多くの授業が英語で行われます。
■熊丸玲之助さん(当時12歳)
「英語苦手なんで…人がしゃべっている英語を、ある程度聞けるよう勉強しないと。」
外国人との接点も多い、学園の寮生活。英語にどっぷりつかる6年間をすごしました。卒業の日。最後の給食は、遠くで見守ってきた家族と一緒にとりました。
■母・熊丸陽奈(ひな)さん
「生徒さんもすごくフレンドリーだし、前向きで誰にでも積極的にコミュニケーションをとってくれる。こういう健やかな場所で、24時間ずっと一緒にいる生活を共にして学んでいくというスタイルを、素敵な学校だなって思っています。」
生徒を支えてきたのは、先生や保護者だけではありません。「島親」と呼ばれる地域住民も、生徒たちの巣立ちを見届けました。
■「島親」の地域住民は…
「年寄りばっかりじゃけえ、子どもの声が聞こえるだけで明るくなってきてね。」
「『こんにちはー』って挨拶してくれますから。元気をもらいます。」
卒業生たちは、アメリカやイギリスの名門校をはじめ、およそ30の海外の大学に合格しました。熊丸さんは、関西の大学に進学することが決まっています。卒業後の抱負を英語でお願いしてみると…
■広島叡智学園高校 卒業生・熊丸玲之助さん
「難しいですね…英語、やっぱり苦手ですね。」
英語はまだまだ勉強中の熊丸さんですが、将来のビジョンはしっかり持っています。
■広島叡智学園高校 卒業生・熊丸玲之助さん
「ブライダル関係の仕事に就きたいと思っていて。礼儀正しいし、格好いいし。日本独自のおもてなしが、しっかり伝わってくるなと思っていて。そういうのに憧れて、ブライダル関係を目指すようになりました。」
仲間たちや恩師と過ごした思い出を胸に、45人が島を飛び立ちます。
【テレビ派 2025年3月3日放送】