値段の高騰により消費者の家計を圧迫する「米」 今後の見通しを県内の関係者に聞く【徳島】
いま値段の高騰が続き、消費者の家計を圧迫しているのが「お米」。
政府は備蓄米の放出を発表しましたが、お米の値段は今後どうなるのでしょうか。
徳島県内のコメの関係者に聞きました。
農林水産省が発表した、主食用のコメが卸売り業者などに販売される際の価格。
2025年1月は全銘柄の平均で玄米60kgあたり2万5927円、2024年の同じ時期と比べて約1.7倍となりました。
相対取引価格は5か月連続で過去最高を更新し、高止まりが続いています。
徳島県鳴門市の食品スーパーのお米売り場を覗いてみると。
棚には、ところどころ空きが目立っています。
取材中、ちょうど業者からお米が入荷されましたが。
(M&Mマルナカマート 古林史也常務)
「きょう入荷があったので、なんとか売り場は埋まっているという状況なんですが、明日とか特売の日になると、お客さんが買いに来てすぐに空になるかな。玄米売り場では、今はもう入荷未定の状態が続いています」
このスーパーでは、2024年夏ごろから注文の7割ほどしか入荷されない状況が続いていると言います。
また値段も高騰、2024年2月に3680円だった徳島県産コシヒカリ10kgは、3000円ほど値上がりしていました。
(M&Mマルナカマート 古林史也常務)
「10kgで買っていたお客さんが、値段が上がっているので5kgに変えて、値段を下げてちょっとずつ消費していくというお客さんは増えているかな」
影響はお総菜売り場にも。
(M&Mマルナカマート 古林史也常務)
「この商品は、もともと380円で売っていたところを米の値上がりと共に398円に上げて、唐揚げも1個減らしたり」
(客)
「やっぱり、高くなっている。米は主食だからこたえる」
政府の発表では、2024年に穫れた米は、前の年より18万トン増えています。
では、なぜコメの値段が上がっているのか、徳島県つるぎ町の米の卸売業者を尋ねると。
こちらの業者では、仕入れた玄米を精米し袋詰めして、米販売店やスーパーに卸しています。
(徳島県食糧卸協同組合 北野宏太郎理事長)
「(Q.ここには十分、米はある?)いや、十分はないです。御多分にもれず、まだ、2024年の7割か8割。2割か3割は今の相場で市中から仕入れないといけない。ただ、金額がべらぼうに違う。例えば30kgを400積んだ1台のトラックが400万~500万円だったのが、いま買えば1000万円します。資金繰り的にも、欲しいんだけど買えない」
なぜ、そこまで高騰しているのでしょうか?
こちらの業者は、猛暑だった2024年の米の収穫量が、果たして前の年より18万トンも増えたのか?政府の発表に疑問があるとしたうえで。
(徳島県食糧卸協同組合 北野宏太郎理事長)
「国の見通しは、冷静にこれだけお米が高くなったんだから、去年より需要は減るだろうと。(Q.買い控えとか?)そう。ほかにパスタ食べたり、パン食べたり。で、われわれ業界の見方というのは、あえて減るだろうという見方はしない。インバウンドはますます好調。一番すごいのは、4月から半年間に渡る万博。これでどれだけ需要があるのだろうかというのが心配。ですから、そっちに身構えているのが業界内。だから、こういう価格になっているのだと思う」
先の読めない需要に、関係者は慎重になっています。
また、政府は高騰の背景に「投機目的の、新規業者が参入している気配がある」という見解も示しています。
そして、先週ついに。
(江藤拓農林水産大臣)
「販売数量は21万トンとします。いわゆる流通が滞っている、スタックしている。この状況をなんとしても改善したいという強い決意の数字だという風に受け止めてもらいたい」
3月にも備蓄米を放出すると発表。
供給を増やし、価格を下げることを狙ったものですが、業界はどう見るのか。
(徳島県食糧卸協同組合 北野宏太郎理事長)
「まずは業務用の方に(備蓄米)21万トンが仕向けられる。そのあとに、余波が一般家庭用スーパーに並ぶお米に影響してくる。だからちょっと時間がかかる。価格にまで影響するかはわれわれでは想像しかねる」
また別の業者は、価格高騰の背景に消費者の不安心理があるとして、備蓄米放出は一定の効果があるとみています。
(農事組合法人徳島農業振興 川島賢一代表理事)
「お米が無くなる不安心理で、(消費者が)『持っていなくてはいけない』と。買ったものの、それは置いといて、それを備蓄して、さらに買えるときにスーパーで買うという(状況)。 1億人が、1人1袋備蓄しているとしたら、1億袋が備蓄されている状態なので、そこの不安心理を解消しない限り、流通以外に備蓄しているお米が出てこない。政府が今回、備蓄米を撒くということなので、ある程度は落ち着いてくるという見方はしています。人によっては、21万トンでは少ないのではないかという捉え方もあるとは思うが、まず、撒くことが大事で、撒いて初めて様子を見ながら、さらに足りないなら撒いてほしいと思っている」
その上で、消費者には冷静な対応が必要だと話します。
(農事組合法人徳島農業振興 川島賢一代表理事)
「消費者の人が落ち着いて、十分お米はあるんだという心理が働かないと、米の価格も下がってこない。慌てずに、いま最高値なので、慌てて買わずに、政府の備蓄米が放出されてからゆっくり買うので間に合うのではないか」
備蓄米の放出発表後の2月18日、江藤農林水産大臣は「(コメの)先物の市場を見ても、 今までにない枚数が取引をされている」と発言し、「備蓄米放出決定によって、すでに、市場が動き始めた」という見解を示しています。
政府は備蓄米の放出を発表しましたが、お米の値段は今後どうなるのでしょうか。
徳島県内のコメの関係者に聞きました。
農林水産省が発表した、主食用のコメが卸売り業者などに販売される際の価格。
2025年1月は全銘柄の平均で玄米60kgあたり2万5927円、2024年の同じ時期と比べて約1.7倍となりました。
相対取引価格は5か月連続で過去最高を更新し、高止まりが続いています。
徳島県鳴門市の食品スーパーのお米売り場を覗いてみると。
棚には、ところどころ空きが目立っています。
取材中、ちょうど業者からお米が入荷されましたが。
(M&Mマルナカマート 古林史也常務)
「きょう入荷があったので、なんとか売り場は埋まっているという状況なんですが、明日とか特売の日になると、お客さんが買いに来てすぐに空になるかな。玄米売り場では、今はもう入荷未定の状態が続いています」
このスーパーでは、2024年夏ごろから注文の7割ほどしか入荷されない状況が続いていると言います。
また値段も高騰、2024年2月に3680円だった徳島県産コシヒカリ10kgは、3000円ほど値上がりしていました。
(M&Mマルナカマート 古林史也常務)
「10kgで買っていたお客さんが、値段が上がっているので5kgに変えて、値段を下げてちょっとずつ消費していくというお客さんは増えているかな」
影響はお総菜売り場にも。
(M&Mマルナカマート 古林史也常務)
「この商品は、もともと380円で売っていたところを米の値上がりと共に398円に上げて、唐揚げも1個減らしたり」
(客)
「やっぱり、高くなっている。米は主食だからこたえる」
政府の発表では、2024年に穫れた米は、前の年より18万トン増えています。
では、なぜコメの値段が上がっているのか、徳島県つるぎ町の米の卸売業者を尋ねると。
こちらの業者では、仕入れた玄米を精米し袋詰めして、米販売店やスーパーに卸しています。
(徳島県食糧卸協同組合 北野宏太郎理事長)
「(Q.ここには十分、米はある?)いや、十分はないです。御多分にもれず、まだ、2024年の7割か8割。2割か3割は今の相場で市中から仕入れないといけない。ただ、金額がべらぼうに違う。例えば30kgを400積んだ1台のトラックが400万~500万円だったのが、いま買えば1000万円します。資金繰り的にも、欲しいんだけど買えない」
なぜ、そこまで高騰しているのでしょうか?
こちらの業者は、猛暑だった2024年の米の収穫量が、果たして前の年より18万トンも増えたのか?政府の発表に疑問があるとしたうえで。
(徳島県食糧卸協同組合 北野宏太郎理事長)
「国の見通しは、冷静にこれだけお米が高くなったんだから、去年より需要は減るだろうと。(Q.買い控えとか?)そう。ほかにパスタ食べたり、パン食べたり。で、われわれ業界の見方というのは、あえて減るだろうという見方はしない。インバウンドはますます好調。一番すごいのは、4月から半年間に渡る万博。これでどれだけ需要があるのだろうかというのが心配。ですから、そっちに身構えているのが業界内。だから、こういう価格になっているのだと思う」
先の読めない需要に、関係者は慎重になっています。
また、政府は高騰の背景に「投機目的の、新規業者が参入している気配がある」という見解も示しています。
そして、先週ついに。
(江藤拓農林水産大臣)
「販売数量は21万トンとします。いわゆる流通が滞っている、スタックしている。この状況をなんとしても改善したいという強い決意の数字だという風に受け止めてもらいたい」
3月にも備蓄米を放出すると発表。
供給を増やし、価格を下げることを狙ったものですが、業界はどう見るのか。
(徳島県食糧卸協同組合 北野宏太郎理事長)
「まずは業務用の方に(備蓄米)21万トンが仕向けられる。そのあとに、余波が一般家庭用スーパーに並ぶお米に影響してくる。だからちょっと時間がかかる。価格にまで影響するかはわれわれでは想像しかねる」
また別の業者は、価格高騰の背景に消費者の不安心理があるとして、備蓄米放出は一定の効果があるとみています。
(農事組合法人徳島農業振興 川島賢一代表理事)
「お米が無くなる不安心理で、(消費者が)『持っていなくてはいけない』と。買ったものの、それは置いといて、それを備蓄して、さらに買えるときにスーパーで買うという(状況)。 1億人が、1人1袋備蓄しているとしたら、1億袋が備蓄されている状態なので、そこの不安心理を解消しない限り、流通以外に備蓄しているお米が出てこない。政府が今回、備蓄米を撒くということなので、ある程度は落ち着いてくるという見方はしています。人によっては、21万トンでは少ないのではないかという捉え方もあるとは思うが、まず、撒くことが大事で、撒いて初めて様子を見ながら、さらに足りないなら撒いてほしいと思っている」
その上で、消費者には冷静な対応が必要だと話します。
(農事組合法人徳島農業振興 川島賢一代表理事)
「消費者の人が落ち着いて、十分お米はあるんだという心理が働かないと、米の価格も下がってこない。慌てずに、いま最高値なので、慌てて買わずに、政府の備蓄米が放出されてからゆっくり買うので間に合うのではないか」
備蓄米の放出発表後の2月18日、江藤農林水産大臣は「(コメの)先物の市場を見ても、 今までにない枚数が取引をされている」と発言し、「備蓄米放出決定によって、すでに、市場が動き始めた」という見解を示しています。
最終更新日:2025年2月20日 20:41