「夢と希望に満ちあふれていた」九州新幹線部分開業20年 新八代駅周辺はいま
鹿児島と熊本、福岡を結ぶ九州新幹線。2004年に部分開業し、「つばめ」が走り始めて14日で20年となります。熊本で初めての新幹線駅となった新八代駅。20年が経ち、どのように変化したのか取材しました。
3月9日。九州新幹線の部分開業20年を前に、JR新八代駅でセレモニーが行われました。多くの鉄道ファンも集まり、駅を出発する「つばめ」を見送りました。
2004年に新八代と鹿児島中央の間で部分開業した九州新幹線。それまで約2時間かかっていた新八代と鹿児島中央の間を最短34分で移動できるようになりました。
9日のセレモニー当日は、1日限定で新八代と鹿児島中央の区間が乗り放題になる切符が販売されました。
■佐賀県鳥栖市から
「今からまず鹿児島に行きます。そして少しずつ戻って、こっちに戻ってこようという計画です」
■鹿児島県伊佐市から
「球磨焼酎をいただいてます。鹿児島中央を目指して1駅1駅楽しんでいきたい」
部分開業から7年後の2011年には、九州新幹線が全線開通。JR九州によりますと、部分開業前の2003と比べ、八代と鹿児島の間の乗客は約3.6倍に増えました。また、昨年度の1日平均乗客数は1751人で、コロナ禍の落ち込みから回復しつつあります。
■新幹線の利用客
「これから博多に向かって仕事に行く。新幹線は1時間に1本くらい走っているから悪くはない」
新幹線の開業前は一面田畑だった新八代駅の周辺。熊本に初めて新幹線の駅が誕生して20年。周辺にはビジネスホテルや小売店が増えました。
■八代商工会議所 竹永淳一会頭
「どう変わるのか見えないままに夢と希望に満ちあふれて、新八代駅が開業することにワクワクしていた」
部分開業によるまちづくりに期待を持ったという商工会議所。八代市内にあった高校が駅前に移転するなどして学生の流れができたといいます。その一方で…。
■八代商工会議所 竹永淳一会頭
「行政とともにやらないといけない新しいまちづくりが思うようにいかなかった。大きなモールのような核になるもの、アリーナであったり、そういう人を呼ぶ力があるものがもうひとつ何かできないと、まちづくりって難しい」
経済効果をみると、厳しいと感じる面もあるようです。八代市は現在、新八代駅の近くに大規模な集客が可能な施設を整備する計画を進めていて、3月末までにデザインなどをまとめて発表する方針です。
■市民
「商業施設とか、ごはんを食べるところがあればいいなと思う」
■タクシー運転手
Q20年後どうなってほしい?
「核になるような野球場とか、テーマパークとか、そういうのがあればいいんじゃないですかね。県南には何もないから」
新幹線の停車駅というメリットをまちづくりにどう生かすのか。部分開業から20年たった今も取り組みが続いています。