「勝てない野球部に金を出せるか」鎮西高校元監督がパワハラ訴え 学校側は「激励だった」
■鎮西高校元野球部監督 江上寛恭さん
「今まで一生懸命やってきた部分を踏みにじられたと言いますか、 全否定されたっていうことがいちばんつらかった」
こう話すのは、鎮西高校野球部の監督として2014年のセンバツでチームを甲子園に導いた江上寛恭さんです。江上さんたち教職員が訴えたのは、二つの高校を運営する鎮西学園の勝目康裕理事長によるパワハラです。
江上さんによりますと、おととし5月に勝目理事長から「勝てない野球部に金を出せるか」などと言われ、12月には監督からコーチに配置換えされたということです。江上さんはPTSD・心的外傷後ストレス障害と診断され翌年から休職し、今年復職しましたが、現在も自宅待機を命じられたままだということです。
これについて、鎮西高校は、勝目理事長の発言は監督への激励だったといいます。
■鎮西学園 枝國智一事務局長
「理事長の言葉を借りますと『激励である』と。鎮西高校の野球部は大事な存在ですので、しっかり活躍してもらいたい、実績を残してもらいたい、何とか上向きにしてもらいたいという思いが、そういう言葉になったと」
また、監督からコーチへの異動は、野球部の指導をめぐって江上さんが暴力を振るったなどの問題が熊本県から指摘され、調査した結果だとしています。
■鎮西学園 枝國智一事務局長
「暴言があったということと暴力、有形力の行使ということがあった」
これに対して江上さんは、部員への暴力は一切なかったとしています。
■鎮西高校元野球部監督 江上寛恭さん
「何もなかったのになぜ降格ですかと食い下がりましたが、県からの調査があったこと自体が問題で、何らかの処分をしないといけないという理由でした」
江上さんは労働基準監督署に労災を申請し、先月長時間労働があったとして労災が認められたということです。また、江上さんは勝目理事長からパワハラを受けたとして、賠償を求める裁判を起こしましたが、1審では敗訴し、現在控訴しています。