「俺みたいになるな」体罰問題で監督を辞任した男性が部活動指導者に訴えたことは
熊本市で20日、部活動の指導者を対象にした研修会が開かれました。講演のテーマは「俺みたいになるな」。この言葉には、高校ラグビーの元指導者のある経験が込められていました。
20日、熊本県教育委員会が開いた研修会。県内の中学校や高校で部活動を指導する教職員など約200人が参加しました。講師として登壇したのは、流通経済大学ラグビー部アドバイザーの松井英幸さんです。
■松井英幸さん
「監督人生から転落し、つらい経験をした私のようになってほしくない。一人ひとりがさらに素晴らしい指導者に変化する、そのきっかけを作ることができればという思いで立っています」
松井さんは千葉県の流通経済大学付属柏高校ラグビー部の創立から監督として関わり、高校ラグビー日本一を決める花園に連続出場する強豪へと育て上げました。しかし、2015年に部員への体罰が問題となり、監督を辞任しました。部員を怒鳴りつけ、さらに手を出してしまったのです。
その後、松井さんはアメリカの精神科医が提唱した「致命的な7つの習慣」という考え方を学びました。
▼致命的な7つの習慣
①批判する
②責める
③文句を言う
④ガミガミ言う
⑤脅す
⑥罰する
⑦目先の褒美で釣る
相手を批判したり罰したりして人間関係を破壊するという「7つの習慣」のすべてが、それまでの自分の指導に当てはまっていたことを知りました。
■松井英幸さん
「大人には試行習慣、行動習慣、成功体験があります。このままの自分たち、このままの私、さらに成長するには変わる勇気が大事です」
自分自身の経験を踏まえ、チームのレベルが上がるほどパワハラのリスクが高まると話す松井さん。相手を受け入れ耳を傾けることで、「自発的に考え行動させる」指導の大切さを訴えました。