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厳しい経営 富山地方鉄道 今後どうする

2025年4月15日 11:08
厳しい経営 富山地方鉄道 今後どうする

富山地方鉄道はきょう実施した減便だけでなく今月1日には鉄道線と富山市内電車の運賃値上げも行いました。

背景には厳しい経営状況があります。

地鉄は少子化やマイカー普及でもともと利用者が減少していたところにコロナ禍が追い打ちをかけました。

2023年度の収支は7億円ほどの赤字で、会社によると2024年度も6億円から7億円の赤字を見込んでいます。

地鉄の鉄道線の今後のあり方や支援について、県と、富山市や魚津市など沿線の市町村が昨年度から検討会を設けて議論を進めてきました。

今年2月には物価高騰を受けておよそ2億円の支援を決めましたがこれだけでは赤字を賄い切れません。

焦点となるのが、鉄道線の全線を今後も維持できるかです。

県内路線図 黒字区間 こちらは地鉄の鉄道線の路線図です。

地鉄は、現状では黒字で経営できる区間は本線が上市まで、立山線は五百石まで、不二越・上滝線は月岡までだとしています。

今回は減便の措置を取りましたが線路の維持管理費などはほとんど変わらず、運行の都度赤字が発生している状態です。

最終的には自治体による「支援」で全線を維持するかまたは一部区間を廃止するか、判断が必要だとしているんですね。

地鉄の沿線自治体はどう見ているのでしょうか。

新田知事は地鉄に対し経営努力を求めたうえで沿線自治体と支援や活用を考えたいとしています。

新田知事
「県でもアドバイスをしながら、地元の各市町村と地鉄さんの応援の仕方、一番いいのはもちろんたくさん乗ることに尽きるわけでありますけれども、そのために、駅をどうやって活用していくのか。路線の持続可能性のために、地元の自治体、地元の住民がどんなことができるのか、どんなことをやるべきなのか、そんなことも大いに話し合いをしていければ」

一方、沿線である魚津市の村椿市長は地鉄とあいの風とやま鉄道が並行して走っている区間について、路線の統合も選択肢の一つだと話しています。

村椿市長
「並行区間について、市としては、例えば、あいの風のほうと、合わせていくというようなことは選択肢になるんだろうということは思っています」

県議会では先月、地鉄の今後について様々な議論が交わされました。

地鉄の経営努力を問う声があがった一方で、車を持たない人特に通学の子どもたちには生活の足として不可欠な存在で支援が必要という声もありました。

立山黒部アルペンルートや宇奈月温泉など県東部の観光地へのアクセスとしても欠かせません。

県内では、かつてJRだった富山港線が第3セクターの富山ライトレールとして再生され、その後、地鉄に経営が移されました。

またJR城端線と氷見線は沿線自治体などが今後の活性化策を協議し、あいの風とやま鉄道が経営を引き継ぐことになりました。

地鉄の今後のあり方を考える際には、沿線のまちづくりや住民の暮らしをどう描いていくかという視点も大切です。

最終更新日:2025年4月15日 11:08
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