【中継】元日の地震から3か月…今も住宅は倒壊したまま 輪島市門前町の今
今回の地震は、当時よりもはるかに大きな被害を受け、いまも住宅は倒壊したままです。
ただ、ボランティアによって復旧作業が進む場所があります。
それが、住宅の一角にあるこちら。
ここは、毎年、秋になると5000本もの花々が咲き誇る場所です。
実は、この花壇、2007年の能登半島地震のあとに作られこの地区の復興のシンボルとして大切にされてきた場所です。
毎年、復興コンサートを開いたりと、住民が集う憩いの場でした。
今回の地震では、住民たちがそれぞれの避難先に離れてしまいましたがなんとかしてこの花壇を復活させ、「再び住民が集える場を作りたい」「また復興への希望の光にしたい」と話していました。
ただ、この地区の住民からは、2007年の地震より「復旧のスピードが遅い」という声もあります。
またボランティアの数も足りておらず、住民からは、2007年の地震からさらに高齢化が進み、「再建に向けた体力も気力もない」と話す人もいました。
復旧のスピード、そして、高齢者の大きな手助けとなるのが、住宅の所有者に代わって行政が解体・撤去する公費解体です。
この輪島市では、きょうから公費解体の受付が始まりました。
市役所には、けさ、さっそく多くの人が受付に訪れ、順番を待つ人で混雑していました。
「やっと一つ前に進むかな」
「撤去してもらって仮設住宅に入って手足を伸ばしたい」
「複雑な気持ちやね言葉でいいようのないっていうか、自分でどうしたらいいのかわからんっていうか」
復旧作業が進むことが期待されますが、それでも、輪島市では、およそ1万5000棟の住宅被害が確認されていていまもなおおよそ2600戸で断水が続き、1700人ほどが市内の避難所での生活を続けています。
まずは、仮設住宅への入居が急がれますが、県によりますと、8月までに希望者全員が入居できるよう作業を進めるということです。
先が見通せるようになったことで安心する声もありましたが、それでも、8月まではまだ4か月あり、決して短い時間とは言えません。
長期化する避難生活への手厚い支援が今後も必要だと感じました。
(Q.輪島市といえば大規模な火災で焼失した輪島朝市も能登にとって大切な場所。いまの状況は?)
朝市通り周辺は、きょうも、ほとんど変化はなく時間がとまっているように見えました。
ただ、一帯に広がっていた焦げ臭さは少しだけ消えていて、きょう、初めて、隣に広がる海の潮のにおいを少しだけ感じることができました。
歩みは遅いですが、時間はゆっくりと進んでいるのだと感じました。以上、輪島市から中継でお伝えしました。