被災地で運行再開した無料バス… 最初の利用者は震災で亡くなった夫の死亡届を出しに市役所へ
NNN取材団・樋口 淳哉記者:
珠洲市役所の目の前です。この前にあるバス停から「すずバス」が出発します。
きょうから再び、市民の身近な足として走り始めました。
きょう午前8時前、地震後、初めてのバスがこちらの停留所に到着し、運行が再開されました。
さっそく、けさバスを利用したこちらの女性は、地震で亡くなった夫の死亡届を出すため、市役所を訪れたといいます。
利用した人:
「市役所行きます」
「お父さん地震で死んだの」
「(運転手に)またよろしくお願いしますと言った。はいはいと言っていた。良かった、うれしいは本当に」
きょう再開されたのは、珠洲市の中心部と、狼煙町や大谷町などを結ぶ5つのルートです。
また、多くの人が避難生活を送る指定避難所と市の中心部を往復する、臨時のバスも、火曜日と木曜日に限り、運行されるということです。
この「すずバス」は、市民の生活を支える無料の路線バスとして、おととしの3月から運行されてきましたが、能登半島地震により、9台のバスのうち、2台が津波の被害で故障し、運行が出来なくなっていました。
バス運転手:
「前まで出てきてここ(壁)にぶつかったんだろう」
「(バスが)津波で浮いて壁にぶつかったんですね」
「避難所にいる方が買い物などに出るにも足がないから」
NNN取材団・樋口 淳哉記者:
珠洲市は今後、被災した道路の復旧状況や、市民の要望などを受け、本格再開に向け、ルートの見直しなどを進めたい、としています。
以上、珠洲市から中継でした。