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県内初の”木造長屋”仮設住宅が完成 輪島市南志見地区から生中継

2024年4月30日 18:53
県内初の”木造長屋”仮設住宅が完成 輪島市南志見地区から生中継
能登半島地震の発生からあすで4か月です。
きょう、輪島市の集落に、県内初となる「木造長屋型」の仮設住宅が完成しました。

市川栞キャスター:
輪島市の南志見地区からお伝えします。
こちらの地区は道路の損傷などが激しく、一時孤立集落となっていました。
きょうはGWの中日ですが、まだ、こちらの地区に戻っている人は少ないようで、住民の姿も、ボランティアの姿もほとんどありませんでした。
この南志見地区のグラウンドにきょう、完成したのが、木造長屋型の仮設住宅です。
県内で初めてこの場所に100戸完成しました。

この木造長屋型は、熊本地震の際に建設されたいわゆる「熊本モデル」の仮設住宅で、使用期限を過ぎたあとも公営住宅に転用して住み続けられます。
集落のみなさんで一緒に地元に帰ってこられるようになる一方、まだ課題も残っていました。

石川県産の木材を使った外壁に。
奥能登を表徴する黒瓦の屋根。
きょう輪島市の南志見地区に完成した木造長屋型の仮設住宅です。

1DKや3K、そして車いすの利用を考慮したものなど、幅広い利用者層を考えた部屋の作りとなっていて、あわせて100戸建設されました。
これまで県内全体で3000戸あまりが完成しているプレハブ型の仮設住宅は、原則2年の利用。

しかしこちらの木造長屋型の仮設住宅は期限を過ぎた後は公営住宅として恒久的な住まいとなる予定です。
この仮設住宅への入居が決まったというこちらの男性。
いまは田植え準備のため金沢の避難先から定期的に通っているといいます。

「金沢から通うこと考えればね、全然違います」
「みんなが戻ってきて、若いもんもきて、活性してもらえばなによりや」

300あまりの世帯が暮らしていた輪島市の南志見地区。
周辺の道路などの損傷が激しく、発災当時は一時、孤立集落となっていました。

その後、金沢市内に集団避難し現在も38人が体育館に身を寄せていますがその大半がきょう完成した木造長屋型の仮設住宅に入居する予定だということです。

「うれしいですね、やっとほっとするね、いつまでもお世話になったら気の毒やしね」
「自分の住まいへ帰れることはうれしいです。千枚田の復興、田んぼもやってるので、土日は千枚田の田んぼの手伝いに」

そして、同じ南志見地区には、もう1か所、仮設住宅があります。
徒歩5分離れた場所のこちらのプレハブ型の仮設住宅は、現在、54戸用意され、すでに住民が生活を始めています。
今回、県はニーズにあわせた数の仮設住宅を建設したとしていますが、プレハブ型で生活を始めた人からはこんな声も…

「私たちも本当はあっち(木造長屋型)希望していたけど無理ですよね」
「無理だった」
「仮設は仮設で希望しててもどっち当たるか私たち選択できないので」

プレハブ型の仮設に住めるのは原則2年間のためその後の住まいをどうするのか考えなければいけませんが…

「でもうちらはもうこっち当たってしまってるし、どうですかね、あとのことは全然考えてない。考えられない」

また、避難先の金沢市から自宅の様子を見に来たこちらの男性は仮設への入居をためらっていました。

「整列した仮設におって周りの景色見て、こういうつぶれた家見ながらって俺はだめやな」
「残りの少ない人生、どこでって思うとやっぱり今ある材料で南志見にすぐ戻ってくるって即決する判断はできない」

特に高齢の人ほど今後、家を建て直すとなると費用面でも難しい人が多いため、こうした仮設住宅に入居し、その後も市営住宅として住み続けたいという声が多く聞かれました。

また、住まいが確保されても周辺の店もほとんど開いておらず、家も倒れたまま、ただ住んでいるだけで町としても機能は果たしていないという声も聞かれました。
県は、すでに1300以上の木造の仮設住宅の建設を進めていて今後、順次、入居が始まりますが、能登の集落を存続させるためには、住まいやインフラ、そして働く環境を早く整えて、戻りたい町へと再生させることが大切だと改めて感じました。



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