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倍率は10年で10分の1に…人材確保へ教職員採用試験前倒し 大学3年や59歳も受験可能に

2024年4月1日 19:08
倍率は10年で10分の1に…人材確保へ教職員採用試験前倒し 大学3年や59歳も受験可能に

 県内の小学校の教員採用試験の倍率です。この10年で10分の1にまで下がるなど人材不足が深刻です。そうした中、1日から来年度の採用試験の出願が始まりました。県は試験の日程を前倒したり、大学3年生や59歳でも受験できるようにするなど、あの手この手で人材の確保に動いています。

 4月1日。新規採用された公立学校の教職員などの辞令交付式。

(県教育委員会・地頭所 恵教育長)
「子どもたちや地域の方々に信頼され、教職の道を全うされることを期待している」

 約600人が教職の道を歩み始めました。
 
(新規採用教職員)
「保護者からも子どもからも周りの先生からも信頼される教員になりたい」

(新規採用教職員)
「笑顔の力を大切にする先生になりたい。子どもたちひとりひとりの個性を大事にして笑顔いっぱいの学級にしたい」

 力強く目標を語ってくれた新人の先生たち。一方で、教員の人材不足は深刻です。

 文部科学省によると、2022年度に実施した公立小学校の教員採用試験の倍率は2.3倍で、5年連続で過去最低を更新。県内の小中高、特別支援学校の採用試験の倍率も年々低くなっています。教職員の定年による大量退職などに伴い、募集は増えている一方で、出願者は減少。小学校にいたっては、2013年度の倍率は11.3倍でしたが昨年度は1.4倍と約10分の1にまで落ち込みました。

 辞令交付式後のインタビューでもこんな声が聞かれました。

(新規採用教職員)
「公務員とか、先生以外の仕事に就く人もいくらかいた」

(新規採用教職員)
「どうしても仕事量が多いことや、子どもだけじゃなくて保護者との関係も大変なのかなというイメージもある」

 学校現場の働き方改革を進めつつ、いかに人材を確保するか。来年度に向けて県教委は、新たな対策を打ち出しました。

 民間企業の採用時期に合わせ、教職員の採用試験をこれまでより3週間前倒し、一次試験を今年6月16日に実施。受験可能な年齢も現在の54歳から59歳までに引き上げます。さらに、小学校の教諭を目指す大学3年生以上を対象に「教職教養チャレンジ試験」を新設。一次試験の「教職教養」で一定の成績を収めれば、翌年の一次試験は「教科専門」のみとなるメリットがあり、新卒採用者の拡大を狙います。

(県教育庁 教職員課・中島 靖治課長)
「学生によっては計画的に自分のやりたいことを充実させながら、教員採用試験の準備もできることになるかなと思う。5年後、10年後には、恐らく相当、学校は変わっていると思うで、それをひとつは楽しみにしながら受けていただくのもいいと思っている」

 未来の子どもたちのために教職の道を志す人をどのように確保するか。今後も模索が続きます。

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