鹿児島市が新設“火山防災専門官” 京大・井口正人名誉教授が就任 引き受けた理由は…
京都大学防災研究所を退職した井口正人名誉教授が、鹿児島市が新たに設けた「火山防災専門官」に就任しました。大規模な噴火が起きた際の広域避難などを研究する「桜島火山防災研究所」の開設に向け準備に取り掛かります。
鹿児島市役所に3日朝、初登庁した京都大学の井口正人名誉教授。6月1日付けで鹿児島市が新設した火山防災専門官に就任しました。
(火山防災専門官に就任 井口 正人京大名誉教授)
「おはようございます」
危機管理課内の災害対策本部室の一角に執務室が設けられました。
(山下 香織キャスター)
「退職後少しはゆっくりされた?」
(火山防災専門官に就任 井口 正人京大名誉教授)
「あまりゆっくりしていないです残務整理がいろいろ多かった。役所に勤めるのは初めてなのでどうやったらいいのか…」
43年前、京都大学の桜島火山観測所に赴任して以来桜島や県内の離島の火山の観測や研究に力を尽くしてきました。鹿児島市は来年度設置する「桜島火山防災研究所」の所長に井口さんを据える予定で、2024年度はその準備期間として研究計画などを策定します。
(鹿児島市 下鶴市長)
「桜島の大規模噴火時の市民の避難にかかる研究に取り組んでいただく。大規模噴火でも犠牲者ゼロを目指す取り組み、ひいては火山防災トップシティの推進のためご活躍されることを期待している」
引き受けた理由について井口さんは。
(火山防災専門官に就任 井口 正人京大名誉教授)
「防災対策を進めるためには行政の中に入って研究をある意味一体となってやっていかないと外にいる大学では限界があると常々感じていた。大規模噴火は避けられないものだと思っているのでこの大規模噴火に対する災害をいかに最小限度に抑えるかが一番大事」
大規模な噴火が起きた際の市街地側の広域避難について研究を進めたいといいます。
(火山防災専門官に就任 井口 正人京大名誉教授)
「火山の噴火警報って降灰や軽石は入らないんです。警報が出ない状態で避難指示、高齢者等避難をやっていくにはどうしたらいいのかよくよく考えないといけない」
活火山・桜島と向き合う日々がこれからも続きます。