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【公約実現】鹿児島市が“待機児童ゼロ”を発表 全国ワーストから3年…下鶴市長「大きな一歩になった」

2024年5月1日 19:38
【公約実現】鹿児島市が“待機児童ゼロ”を発表 全国ワーストから3年…下鶴市長「大きな一歩になった」
鹿児島市待機児童ゼロを達成し正式に発表しました。全国ワーストから2年。これまでの対策が功を奏しましたが、一方で課題として挙げられるのが「隠れ待機児童」です。

1日の定例会見で下鶴市長は「待機児童ゼロ」を正式に発表しました。

(下鶴市長)
「令和6年4月1日現在の保育所等の利用待機児童数はゼロとなりました。市民のみなさまと約束したことを果たすことができたことを非常に嬉しく思っています」

 下鶴市長は2020年に「待機児童ゼロ」を公約に掲げ当選しました。子供を持つ若い市長の誕生に期待は集まったものの2022年の待機児童は全国ワーストの136人を記録。市長が陳謝する異例の事態に発展しました。鹿児島市は昨年度、約11億円を計上し対策を強化、21人まで減らしました。さらに、今年度は15億円余りを計上し新たな保育園など17の施設を設け受け皿を拡大しました。また、処遇の改善にも取組み潜在保育士の掘り起こしにも力を入れました。鹿児島市が初めて成し遂げた待機児童ゼロ。市長自ら対策の検討に積極的に関わったと胸を張りました。

(下鶴市長)
「根拠に基づく政策立案。1つ大きな事例を作ることができた。どこで何歳で待機児童が発生しているのか。要因は何か。保育士はどういう理由で離職してどれぐらい足りないのか。細かな数字をアンケートも含め積みあげて必要な対策を講じた。今後の鹿児島市政を進める上で大きな一歩になったととらえている」

しかし、一部の議員からはこんな声も聞かれます。

(市議会議員)
「あれだけのお金をかければ待機児童は解消して当然だろう」

(市議会議員)
「新しい保育園をあんなに作って無駄にならないのだろうか」

こうした声に市長は…

(下鶴市長)
「待機児童ゼロは子育て世代に選ばれる町として達成しなければならない非常に重要なポイントだった。それだけの予算を割く価値がある施策と考える。予算配分もだがやはり決断だろうと思う」

新たな保育園を増やしたことについては、仕事の有無に関わらず保育園に通える「誰でも通園制度」を国が検討していることなどを挙げ「保育の需要はしばらく一定の水準を保つだろう」と話しました。

鹿児島市の待機児童の解消に、子供を持つ親は…

(母親)
「素晴らしい。待機児童ゼロはすごくありがたい」

(父親)
「数字はゼロかもしれないが入りたい所に入れなかったと聞いたりもする」

【解説】
(内田直之キャスター)
鹿児島市は実現できた理由について、「新たな保育所を設けるなどして利用の定員を増やしたこと」「保育士の処遇を改善するなどし て保育士を確保できたこと」「保護者のニーズを把握して利用の調整ができたこと」をあげています。利用調整は「この保育園は無理だけどここなら入れますよ…」と現場の職員が保護者1人1人と丁寧に話をしながら進めたものです。現場の努力が実を結びました。

一方、待機児童を語る上で課題となっているのが「隠れ待機児童」です。特定の施設への入園を希望していたり、求職活動をしていなことなどを理由に待機児童にカウントされていない人たちです。そうした人が鹿児島市にはまだ414人います。鹿児島市がこの現実とこれからどう向き合っていくのか引き続き、注目です。
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