【31日「閉店」で別れを惜しむ人】「仙台駅前」と「仙台・泉中央駅直結」の2つの商業施設 「専門家」に駅近の商業施設が閉店の背景を聞く(仙台市)
仙台駅西口の「EDEN」と仙台市泉中央の「アリオ仙台泉」が、31日で「営業最終日」を迎え、別れを惜しむ人が多く訪れた。
駅に近い商業施設の閉店の背景などを、専門家に取材した。
安斎アナウンサーリポート「きょうが最終日となった仙台駅前のこちらの施設。店舗には営業終了を知らせるお知らせが貼られています」
「EDEN」は、2011年に旧仙台ホテルの跡地に16店舗が入る複合商業施設としてオープン。
中庭にはシンボルツリーのケヤキが植えられ、周りに路面店が並ぶ開放的な造りが特徴だった。
迎えた最終日。
店舗では、最後の営業の準備を進めていた。
gift hat(帽子店)・三浦尚之さん「最終日です。仙台駅前なので(客も)通いやすかった店舗だった。すごく残念」
ラーメン店には、入店待ちの列が出来ていた。
ラーメン店の客「そうかぁ今日が最後か。やっぱり寂しい」
管理をしている不動産会社によると、今回の閉店は建物の老朽化が大きな理由で、施設は解体されるが、土地の活用は未定だという。
一方、仙台市地下鉄・泉中央駅近くの「アリオ仙台泉」。
伊藤有里記者リポート「きょうで31年の歴史に幕を閉じる『アリオ仙台泉』。最後の営業日を前に多くのお客さんが開店を待ちわびています」
運営会社によると、今回の閉店は首都圏店舗への注力に伴う地方店舗の縮小が理由という。
施設は、1992年の仙台市地下鉄「南北線」が泉中央駅までの延伸に合わせ「イトーヨーカドー仙台泉店」としてオープン。
2013年に「アリオ仙台泉」としてリニューアルした。
訪れた人からは、地下鉄直結で便利な施設の閉店を残念がる声が聞かれた。
高校生「ほんとに遊びの場所とかここが中心だったので、1週間毎日ここで遊ぶくらいだったんで、なくなった後のことが想像できないです」
女性「子どもの時から通っていたので、震災の時もいち早くお店開けてくれてすごく助かったので寂しいです」
去年9月まで、食品売り場で働いていた女性は、元同僚に会いにきたという。
従業員だった女性「4年半くらい(働いていた)。すごく寂しいのとウルウルしていて、仲間もみんな 泣いていたり。いろんなことがあったけれども(働けて)よかったなって思ってます」
大型商業施設の閉店の背景と地域経済への影響を、専門家に取材した。
七十七リサーチ&コンサルティング・田口庸友首席エコノミスト「地下鉄・泉中央駅近くで、非常に立地はいいんですけれど、 車でのアクセスということになるとやはり郊外の方が便利だと」
周辺エリアでは、2008年に「イオン仙台泉大沢」が、2016年には富谷市に「コストコ」など駐車場がある大型商業施設にファミリー層を中心に人が流れがちで、「アリオ仙台泉」は駅近でありながら集客に苦戦していたと分析している。
七十七リサーチ&コンサルティング・田口庸友首席エコノミスト「今後、(仙台市)泉区役所の建て替えなんかも予定されておりますので、いわゆる高齢化社会を見据えた全体としての街づくりのなかで、施設が活用されるといったことが大事なのかなという面もありますし、長期間施設が空き店舗のままでいるということは泉中央の魅力を低下させることになりかねない。なんらかの方針とか次の店舗であったり、早めに発表してほしい」
一方、「杜の都」の顔ともいえる一等地の「EDEN」閉店については…。
七十七リサーチ&コンサルティング・田口庸友首席エコノミスト「元々再開発までの間に、繋ぎみたいな形で定期契約をしていた期限が切れ、更新しないということですから、 どちらかといえば再開発に向けた第一歩の動きだという風に捉えられると思います」
専門家は、仙台駅前にある「旧さくらの百貨店」と共に再開発が待ち望まれるエリアで期待は大きいと話す。
七十七リサーチ&コンサルティング・田口庸友首席エコノミスト「人流がかなり増加しているという機運の中で、(仙台駅)西口に対する期待がかなり高まっているということなので、今回のEDENの閉店が影響を与えるということは考えずらく、むしろ期待だけは高まっていくんだろうという風に思ってます」
専門家は、今回の2つの施設の閉店が仙台圏全体に与える影響は少ないと、分析している。
長年、市民に愛されてきた商業施設の閉店。
仙台の街がどう変わっていくのか?今後が期待される。