【熱湯を浴びる神事とは】神社で300年以上…「無病息災」を願い地域でつなぐ
宮城県大崎市の若宮八幡神社。参道に沿って並べられたのは38の釜。夜に行われる神事に向けて、地域住民が準備を進めていた。300年以上前からこの神社で行われているのが「湯花(ゆのはな)行事」。束ねた笹の葉を使って熱湯をあびせるというもので、県の無形民俗文化材にも指定されている。旧暦の9月18日に行われるこの行事。準備された38個の釜に火が入れられた。
午後6時。宮司が祝詞をささげ、いよいよはじまる「湯花行事」。参道に現れたのは白装束に身を包んだ宮司。この行事で〝神の使い〝の約割を担うという。
手にした笹の葉で、釜の中の熱湯が勢いよく振りまかれると、それを間近で浴びながら無病息災を祈る参列者たち。そして、氏子たちはこの日のために招かれた神職とともに、〝神の使い〟となった宮司に願いを込める。
<熱湯を浴びた参列者>
「めちゃくちゃ熱かったですね。頭がすごい熱くて。宮司を一生懸命止めました。まずは商売繁盛と、あとは健康面を願いました。これだけ熱かったので、きっと効果があってくれればいいなと思ってます」
「すごい貴重な経験でした。12月に子どもも生まれるので、無事に生まれるのと、家族の健康を願ってました」
使われた笹の葉は「厄除け」として、参列者がそれぞれが持ち帰るという。300年続くこの行事は、地域と一緒にこれからも歩んでいく。