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植樹通して豊かな海作る“森は海の恋人”、気仙沼市のカキ漁師 畠山重篤さん死去…国内外に大きな足跡

2025年4月7日 10:20
植樹通して豊かな海作る“森は海の恋人”、気仙沼市のカキ漁師 畠山重篤さん死去…国内外に大きな足跡

“森は海の恋人”運動で知られる宮城・気仙沼市のカキ漁師 畠山重篤さんが、4月3日亡くなりました。81歳でした。

植樹を通して豊かな海を作ろうという取り組みは、国内外に大きな足跡を残しました。

肺血栓塞栓症のため、4月3日 埼玉県内の病院で亡くなった畠山重篤さん。

気仙沼市内で7日行われた告別式では、生前の功績を偲び多くの人が別れを惜しみました。

カキ養殖の傍ら1989年から植樹活動を始め、“森は海の恋人”をテーマに植樹活動を続けてきた畠山さん。

森に木を植えることで、川に養分が注がれ豊かな海になるという思いからで、植樹はすでに4万8000本に上っています。

2011年の東日本大震災では津波で母を亡くし、養殖施設も壊滅的な被害を受けました。
苦境に立たされながらも、震災の3か月後に開催した植樹祭には、全国から畠山さんの活動を支える1200人もの人が集まりました。

当時の畠山重篤さん
「漁師はそうそうへこたれませんから。大丈夫ですよ」

受賞)SIGEATUHATAKEYAMA!(拍手)

その功績が評価され、2012年には森を守るための活動を表彰する国連の「フォレストヒーローズ=“森の英雄”」に選出。
受賞の席で畠山さんは、森と海のつながりの大切さを訴えました。

当時の畠山重篤さん
「(震災から)1カ月ほどは、海から生き物の姿が全部消えました。もうこれで終わりだと思いました。しかしどうでしょう。1か月位したら、海に魚たちがまた戻ってきました。以前にも増して海は豊かになったんです。なぜかというと海に流れ込んでいる川と背景の森林がしっかりしていたからです」

畠山さんが続けてきた森林保全活動は、三男の信さんが引き継ぐといいます。

NPO法人 森は海の恋人副理事・三男の畠山信さん
「これまでの活動、父の志のようなものは私含め地域の皆さんと一緒に継続していきたいと思います」

森と海をつなげるユニークな視点が、多くの共感を呼んだ畠山さん。
後日、東京でお別れの会が開かれる予定です。

最終更新日:2025年4月7日 10:20
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