【解説】学術的価値高い「特別史跡」への格上げ目指して「出島」これまでの歩み《長崎》
史跡「出島」の発掘調査について確認します。
出島は江戸時代初期の1636年に長崎湾に築かれた人工島で、1641年にオランダ商館が平戸から移転してから、幕末までの(1859年)218年間、西洋との唯一の交易窓口となりました。
1922年10月12日には国の史跡に指定され、おととし100年を迎えています。
長崎市は73年前(1951年)に、出島の整備復元に乗り出し、民有地の公有化などを経て、96年から事業を本格スタート。
3期20年に及ぶ整備計画では建物16棟を復元し、2017年には「出島表門橋」も完成しました。
今年度からの4期目の事業では、「出島町人部屋」は建物として復元しますが、「十五番蔵」と警備や見張り役が詰めていた「番所」は説明版などを設けるとしています。
市は、特に学術的価値の高いものが指定される「特別史跡」への出島の“格上げ”を目指して、2年前から遺構や遺物の価値づけなどの整理を進めています。
特別史跡は、県内では「壱岐市の原の辻遺跡」と「対馬市の金田城」の2件にとどまっていて、市では、2027年度以降国への申請を目指すとしています。