「悲惨な事故がないような世界に…」 全国で相次ぐ脱輪事故を防ぐ! ナットの緩みを視覚的に確認可能な新製品を開発 鳥取県鳥取市
全国で相次ぐ走行中の車のタイヤ脱輪事故。事故を防ぐため鳥取県の会社が新しい製品を開発し、特許取得を目指しています。
2023年12月に島根県浜田市の国道9号で起きた事故。走行中の大型トラックのタイヤが外れ、近くを歩いていた75歳の男性に直撃。男性は衝突のはずみで転倒し顔を打撲するけがをしました。また、去年11月には北海道札幌市で走行中の軽乗用車のタイヤが外れ、近くを歩いていた4歳の女の子に直撃しました。
痛ましい事故を引き起こすタイヤの脱輪。タイヤの専門家はその原因についてー。
ミスタータイヤマン玉造 小笹祐嗣 店長
「確実な取り付けが出来ていない。 タイヤ交換のときに最後の点検・確認が出来ていないのかなと思ったりもします」
タイヤを取り付けているナットの締め方や、十分な点検が行われていないことなどが考えられるといいます。そんな脱輪事故を防ごうと開発された製品がこちら。
このように、大型自動車のタイヤの「ホイルナット」にはめて使用します。製作したのは鳥取県鳥取市にある自動車用品メーカーの山本幸輝さんです。
STShicoA 山本幸輝 取締役副社長
「ナットの緩みをまず見える化するということと、それから緩みの進行を抑制する」
この製品のポイントは2つ。
・一つ目はナットにかぶせる部分についている矢印マーク。その矢印の方向が変わるとナットが緩んでいることに簡単に気付くことができます。
・二つ目は、緩んでいたとしてもほかのナットと連携して押さえつけられているので、緩んだナットが簡単に外れたり飛んで行ったりしないという効果が期待できるということです。
3年間の構想の末、2023年11月に完成したこの製品。現在、鳥取県倉吉市にある運送会社でテスト走行をしています。取材日もタイヤを点検していると、ナットのゆるみを発見しました。
流通倉吉店 中本博幸店長
「これゆるみですね。ここ1つ緩んだ時点で対応ができますので、これをもう1回締めなおして全体的に1度ぐるっと締めなおして」
毎日行う点検作業。以前は点検用のハンマーでタイヤをたたき、音の高さで緩みを見分けていたといいます。
流通倉吉店 中本博幸店長
「初心者だとなかなか難しいと思います。点検のハードルはかなり下がると思います。特に若いドライバーさんとか、経験のないドライバーさんが緩みを知らないまま走るっていうことがなくなってくると思うので、そこはメリットじゃないかなと思います」
経験が乏しいと難しいというハンマーでの点検。目視での確認は点検時間の短縮ができる上、新人ドライバーへの負担軽減につながります。
STShicoA 山本幸輝取締役副社長
「こうしたほうが見やすいよとか、色がこうだったらいいなとかそういうお声はいただいてますので、できる限り改善して悲惨な事故がないような世界にしてほしいですね」
大事故につながりかねない走行中のタイヤの脱輪事故。鳥取から安全な社会を目指して。現在、大型車向けに通販サイト・ホームページでの販売を行っています。