「下界で食べるよりおいしい」 中国地方・最高峰の大山で夏山開き 県内外・海国から多くの登山客 鳥取県
ほら貝の音とともにゆらゆらと浮かび上がった“炎の川”。夏山開きを前に大山では6月1日、恒例の「たいまつ行列」が行われました。今年は県内外、そして海外からもこの様子を一目見ようと多くの人が大山を訪れました。約1000本の灯がともされ、大神山神社奥宮から約1.5キロの道を練り歩きました。
Q.どこから来ましたか?
登山客
「ウクライナ、ドネツク州。このようなイベントに参加したのは初めてで、すべてが気に入りました」
広島からのカップル
「すごく神聖できれいでした。明日は朝4時半に起きて飯を食べて30分後に上る」
「頑張って頂上まで登り切りたいと思います」
たいまつ行列から一夜明けた6月2日。雨が静かに降り続け、濃い霧が大山を包んでいました。夏山開きを迎えたこの日。多くの登山愛好家や家族連れなどがまだ夜が明けないうちから大山へと登っていきます。
登山客
「今のところ楽勝です(笑)」
「(お酒も抜けて…)ばっちり。楽しみ楽しみ」
立ち込める霧の中を進む人たちの表情は明るく、ぬれた地面に注意を払いながらそれぞれのペースで山頂を目指します。
Q.調子はどうですか?
ウクライナからの登山客
「頂上まで登るためのエネルギーに満ちあふれています」
登山道を進むにつれ、あたりの景色は青々とした森から次第に無骨な岩肌へと変わっていきます。そんな中、休憩地点には前日に体育祭を終えたばかりだという、強者(つわもの)の中学生がー。
岡山県の中学生
「きのうも歩きまくったんです、でも気持ちだけはあります」
自身に活を入れ、歩みを進めます。
ダイセンキャラボクを両横に、木道まで来ると頂上まであと少しー。出発から約4時間。天気が良い日には日本海が望める絶景ポイントですが、この日は白い世界に霊峰・大山の頂が浮かび上がっていました。
登山客
「頑張りました!」
Q.どうでした大山?
「昨日のお祭りも出てどっちも幻想的でよかった。来てよかった」
頂上では続々と人が集まり、厳かに始まった神事。静かに今シーズンの山の安全を祈願しました。大山で売店の運営などを行う「大山マウンテンサポート」によると、この日の山頂の気温は約8℃。神事を見届けると登山客は山小屋に入り、温かな食事で疲れを癒していました。
Q.山頂で食べるカップラーメンはどう?
「最高ですねおいしい。下界で食べるよりおいしいです」
「本当に心も温まります」
「初めてだったんですけど、こんなに寒いと思わなかったです。次は天気の良い時に来れたらいいなと」
「東京から来たから、どうしても登りたくて登りました。やっぱり頂上に来るとこんな天気だけど登ってよかったです」
この日の登山客は250人。多くの登山客が頂上に立った夏山開き初日。天気には恵まれませんでしたが、中国地方・最高峰の大山を制覇した人たちの顔には達成感が満ちあふれていました。大山の自然は今年も多くの人を楽しませてくれそうです。
◇ ◇
※大山での夏山登山の注意点※
・気温が上昇してくるので熱中症、脱水症状への対策が重要。水分や糖分塩分多めに持っていくこと。
・登山人気で初心者の登山者が増え、遭難者も増えているので単独では絶対に登らないこと。
・登山届も必ず提出するようにしてほしい。