新型コロナの補助金約8200万円の返還を求める訴え 島根県が東京の検査事業者を提訴 検査業者は全面的に争う姿勢
新型コロナの無料PCR検査で補助金を不正受給したとして、島根県が東京の検査事業者に対し、約8200万円の返還を求めた裁判の第1回口頭弁論が開かれました。
補助金の返還を求められているのは民間の検査事業者「メディトランセ」です。訴状などによりますと「メディトランセ」は、2022年3月から昨年5月まで島根県内5か所で、無料のPCR検査を実施し、そのうち、昨年度分を除いた検査分、約8200万円(8239万2000円)の補助金を受給しました。
しかし、全国で「メディトランセ」をめぐる、補助金の不正事案が相次いだことから、島根県が昨年、聞き取り調査などをしたところ、メディトランセ側は、「無料検査は、実際は取引業者が『メディトランセ』の名義を使って、事業者登録を受ける計画書を提出し、補助金の交付を申請した」と主張しました。
メディトランセは、事業主体ではなかったことを認識していたのにもかかわらず、補助金を不正受給していたとして、島根県は昨年12月に全額返金命令を出しましたが、期限(今年1月)までに返金がなく、その後の督促にも応じなかったため、松江地裁に提訴しました。
10月21日の第一回口頭弁論は、メディトランセ側は不在で、訴状の確認などが行われました。
メディトランセ側は、全面的に争う姿勢で、メディトランセの加藤篤彦社長は日本海テレビの取材に対し「ほかの業者がメディトランセの名前を使って補助金を得て、業者にすでに補助金を支払っている。何も不正はないため、島根県に対し国家賠償を視野に検討している」とコメントしています。