「地域性にこだわった」“キッズデザイン賞”受賞 全て「鳥取」で作った「木のえほん」の製造工程とは 鳥取
全て「鳥取」で作ることにこだわった絵本です。鳥取市の家具デザイン会社が作った「木のえほん」がキッズデザイン賞を受賞し注目を集めています。
鳥取市内のこちらの保育園で子どもたちが興味津々で読んでいるのはー。
“木でできた絵本”です。
杉の板で作られたこちらの絵本。めくるたびに香る杉の匂いや木の絵本ならではの手触りを感じることができます。子どもたちが「感性や創造性豊かに育つ」ことなどを目的として作られた優れた製品に贈られる「キッズデザイン賞」。その審査員長特別賞に輝いたのが「木のえほん」です。
企画したのは鳥取市の家具デザイン会社「ヒョウデザイン」の白岡崇さんです。
ヒョウデザイン 白岡崇代表取締役
「地域性にこだわった物語も材料も作家さんも含めて、すべて地元の鳥取で取り組んでいるというところにすごく評価をするとおっしゃっていただいた」
去年5月に第1弾の1巻から5巻を発売したところ、予約でほとんど完売。第2弾として続きの6巻から10巻も販売し、これまでに2500冊以上売り上げています。
物語の舞台は鳥取県の自然や文化。絵本の素材には鳥取県智頭町の「智頭杉」を使用。背表紙は因州和紙で作られています。素材だけではなく、製造もすべて鳥取県内で行われています。
鳥取市内のこちらの印刷所では絵柄のプリントを担当。木の木目を生かしたデザインになるよう紫外線を照射する「UV印刷」という方法で印刷されています。
パレットスクリーン工場 山本啓二工場長
「1冊1冊表情が違うように透けた表現だとなると思うのでいいと思いますけど」
次の工程は木の切り抜き、そして製本です。
使われている糸のこの刃は特注の細い刃。キャラクターを傷つけないよう優しい力加減でくりぬいていきます。こちらの作業所は障がいのある人とともに作業を行っています。製本作業には作業員全員で取り組みます。
ねっこ作業所職業指導員 吉田康高さん
「おもちゃのような感覚で遊んで楽しむようにしていただけたらいいのかなと思って作っております」
鳥取県内の様々な人の思いをのせて完成する木のえほん。今年8月に木の絵本を購入した「とうごう保育園」でお披露目です。
子ども
「あ!白うさぎ 木硬い」
見て、触って、香を感じて木のえほんを楽しみます。
とうごう保育園 加藤明代園長
「開けたときにすごく木の香りがして あ、素敵!と思いました。子どもたちにも触ってほしいなと思いながら」
鳥取県のふるさと納税の返礼品にも認定されている木のえほん。子どもにも、親世代にも鳥取県の魅力をアピールするきっかけになる製品として期待されます。
ヒョウデザイン 白岡崇代表取締役
「『鳥取と言えば木のえほんがあるよね』みたいな新たなものとして定着していけばうれしい」
絵本全体から鳥取を感じることができる木のえほん。
オンラインショップや鳥取県内の一部店舗で購入でき、鳥取市内の図書館やわらべ館などで読むことができます。