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「(薬が)どこもない。融通システムを使っても、分け合うということができていない状況」 全国的な薬不足 再拡大している新型コロナウイルスにも打撃

2024年8月20日 17:40
「(薬が)どこもない。融通システムを使っても、分け合うということができていない状況」 全国的な薬不足 再拡大している新型コロナウイルスにも打撃

この夏、感染が再拡大している新型コロナウイルス。しかし、全国的な薬不足が続いていて山陰の薬局も頭を悩ませています。

鳥取市内の調剤薬局を訪ねてみるとー。

徳吉薬局 薬剤師 藤井健人さん
「解熱のお薬だったり、風邪のときに飲まれるお薬だったりとか、需要が高まってか、お薬が減ってきているような状況になっています。なにかが再開してきても、なにかがまた不安定になって…」

不祥事によるジェネリック医薬品大手メーカーの生産停止に、新型コロナの流行が重なって、2021年ごろから品薄が続いている、薬。抗生剤やせき止め、解熱剤などを中心に3年以上、供給が安定していません。

徳吉薬局 徳吉淳一 社長
「長期処方の患者さんは、薬がたくさん要るわけですけど、いっぺんに出せないので小分けに出したり、薬がないので、お医者さんにお電話させていただいて、ある薬に変えてもらうとか」

国と医薬品メーカーで作る団体の調査によると現在、「限定出荷」「供給停止」など出荷に制限のある薬が全体の22%を占めています。鳥取県東部の薬剤師会では、薬局ごとに在庫がある薬を確認できるシステムを作り、会社を超えて融通しあえる仕組みになっていますが…。

徳吉薬局 徳吉淳一 社長
「どこもないので、融通システムを使ったとしても、みんなで分け合うということが今できていない状況」

国も、薬の値段を上げるなどして生産を加速させようとしていますが、改善のめどは立っていません。ここ数年、お盆が終わる8月下旬に感染拡大の傾向がみられる新型コロナウイルス。現在、鳥取県では新型コロナ注意報が発令されていて、島根県でも前の週に比べて患者数が増加。

また、8月11日までの調査によると、手足口病や溶連菌は鳥取県で警報が発令されているほか、島根県でも平年より感染者数が多い傾向となっています。薬の安定供給に向けた一刻も早い体制づくりと共に、私たちも、基本的な感染対策を続けることが重要です。

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