島根原発2号機 テロ対策施設の設置申請が正式に合格 一方で今年発生した2件の火災について自治体による立ち入り検査を実施
今年12月上旬の「再稼働」が予定されている島根原発2号機。中国電力が設置を申請していたテロ対策施設について、原子力規制委員会は10月23日、正式に合格とすることを決定しました。
テロ対策施設(特定重大事故等対処施設)とは、緊急時の制御室や電源、冷却装置が備えられているもので、2028年8月の完成を目指すということです。
そして、23日は島根原発構内で発生した2件の火災についての自治体による立ち入り調査が行われました。島根原発を訪れたのは立地自治体である島根県と松江市、鳥取県の原子力安全対策の関係者で安全協定に基づき実施されました。
島根原発では今年4月、2号機のタービン建物内の放射線管理区域内で、仮設のブレーカーの箱が焼ける火災が発生。さらに9月には、2号機の放射線管理区域の外で作業員が溶接作業をしている際、付近のマットが燃える火災が発生しています。これらの火災を受け、中国電力では、10月17日に原因と再発防止策を公表しました。
23日は、立ち入り調査を行う自治体のほか、島根原発の周辺の5つの市(出雲市・雲南市・ 安来市・米子市・ 境港市)も「現地確認」として参加。9月の火災で焼けた、仮設のブレーカーの箱が公開され、中国電力から説明を受けました。
中国電力によりますと、仮設ブレーカーの箱が、耐震補強用の柱に接触して通常とは異なる電流が流れたことなどが火災の原因として考えられるということです。再発防止策として、箱の設置場所の見直しや異常な電流が流れた際に燃えないよう、従来のプラスチック製から金属製のボックスに変えたことなどが説明されました。
さらに参加した自治体は、実際に火災のあった現場も訪れ、状況を確認。現場確認のあとに島根県の担当者が「再発防止対策に対して今後適切な運用や火災への意識が薄れないよう務めてもらいたい」と伝えると中国電力は「再発防止策を関連会社にも共有し、安全管理を徹底していく」などと回答しました。
島根県防災部 原子力安全対策課 田中浩一 対策監
「きょう確認した範囲では、特に問題になるようなところはございませんでした。(火災があると)住民の方が不安に思われるというのは確かですので、中国電力には引き続きスケジュールありきじゃなくて、安全最優先でしっかり取り組んでいただきたいと思いますし、県としてもその状況をしっかり確認していきたいと思います」
島根原発2号機は今年12月の再稼働に向け、10月28日には、燃料を原子炉へ入れる「燃料装荷」が予定されています。