無料で接種できる期間も残りわずか… どうする?子宮頸がんワクチンのキャッチアップ接種 対応にさまざまな声
子宮頸(しきゅうけい)がんの原因となるHPVの感染を予防するワクチン。接種の機会を逃した若い世代向けに行われているキャッチアップ接種の事実上の期限が今月末に迫るも、意見はさまざまです。
毎年約1万人の女性がかかっている子宮頸がん。年代別で見ると20代から増え始め、40代でピークを迎えます。最新のワクチンは原因となるHPVの感染を8割から9割を防ぐとされ、子宮頸がんの予防のため、小学6年生から高校1年生までの女子には無料の定期接種が行われています。
ただ接種後、全身の痛みなどを訴える事例が確認され、政府は約9年間、接種の積極的な呼びかけを控えていましたが、2022年4月に再開。この空白期間に接種することができなかった1997年度から2007年度生まれの女性を対象に行われているのが、無料の「キャッチアップ接種」です。
■対象となる世代は制度をどう見ているのか?
23歳大学生
「母が看護師なので(受けたほうがいいか)聞いてみたんですけど、副反応がいろいろ心配だからワクチンを打つよりかは打たないで定期的に検診に行ったらどうかなと言われました。自分でも調べててちょっと怖いなと思ったので、今回は打つのやめとこうかなと思っています」
22歳大学生
「(受けるか)迷ってます。いろんなリスクがあるのもネットで色々見たりしてちょっと不安なのと、友達も受ける人と受けない人と分かれていて、(受けるか)早く決めないといけないなとは思います」
受けるかどうかについて、身近な人と相談するも、意見はさまざまー。
■いま受け始めないと、自費で10万円も
しかし無料でワクチンを接種できるこの制度は来年3月末で終了することになっています。ワクチンの接種は3回行う必要があり、全てを終えるのに半年程度かかるため、今月末までに1回目の接種を受けなければ、最大で約10万円の費用がかかることになります。
鳥取市の婦人科医・田口俊章さんに子宮頸がんワクチンについて聞きました。
Q.子宮頸がんワクチンを打つことのメリット・デメリットは?
「以前出た重篤な副反応というのが追跡調査をして、ほかのワクチンでも同様の頻度で起こるというのが分かりました。メリットとデメリットを考えた時にはるかにメリットが大きい」
Q.キャッチアップ世代の20代女性でも効果はある?
「性交渉を経験すると5割くらいの人がHPVに感染しますが、感染したHPVの型が子宮頸がんになりやすい型ではない可能性も十分あります。そういう場合に効果がある」
田口医師の病院では駆け込みでキャッチアップ接種の予約が増加。公費で接種できるこの機会を逃してほしくないといいます。
タグチIVFレディースクリニック 田口俊章 院長
「いま現在打っているワクチンは9割方効くといわれています。それと子宮頸がん検診を併用すればうまくいけば(子宮頸がんは)0になる」
日本では毎年3000人が子宮頸がんで命を落としているのが現状です。さらに、子宮頸がんはほかのがんに比べて若い世代で増加していきます。
接種について、家族や身近な人などとも話し合い十分に検討・判断をする必要があります。