【全国初】コンビニを使ったスローショッピングの体験会 高齢者にゆっくりと買い物を楽しんでもらうための課題とは? 鳥取県倉吉市
誰もが利用できる店舗のあり方を模索します。老人ホームを利用する高齢者にコンビニで買い物をしながら認知機能を高めてもらう試みが、7月8日、鳥取県倉吉市で行われました。
8日、鳥取県倉吉市のコンビニで行われたのは「スローショッピング」の体験会。この日は、近くの老人ホームを利用する高齢者5人が参加しました。
「スローショッピング」とは、普段はほかの利用客を気にして落ち着いて買い物がしづらい高齢者にゆっくりと買い物を楽しんでもらう取り組みです。社会福祉の充実や高齢者の認知機能の向上につなげたいと鳥取県とファミリーマートが連携し企画しました。
店内には、高齢者の買い物に配慮した工夫がありました。店内には麺類やおにぎり、ティッシュなど、商品の置き場を分かりやすく示すマークを設置しました。にぎやかな店内に少し戸惑いを見せながらも、それぞれ目当ての商品を探す参加者たち。
Q.何を探していますか
参加者
「冷たいものがほしいですね。飲み物とか」
「久しぶりですから、ここに来たのは。たびたびは来ませんから、私は足が歩けないからなかなか」
時々スーパーに行くことはあっても、コンビニに行くことはあまりないといいます。老人ホームの責任者は、「施設を利用する人は、外に1歩踏み出すことがまず難しい」と高齢者を取り巻く環境を指摘します。コロナ禍で外出することができず、活動の選択の幅が狭まっていたといい、こうした取り組みが、外に出かけるきっかけになればと期待します。
買い物かごいっぱいに商品を選び「スローショッピング専用レジ」に並ぶ参加者たち。耳が聞こえにくかったり、車いすからはカウンターが高かったりとレジでのやり取りに苦労していましたが、なんとか買い物を終えていました。
参加者
「コンビニはあまり行かない。出て歩くことはいいことです」
「大福とか(買った)。自分でスムーズにいくことができない。お金を出したりするのも大変」
ファミリーマートによると、全国で初めてのコンビニを使ったスローショッピングの体験会。外出した際にコンビニは使う頻度が高くなると予想されますが、課題も多いようです。
鳥取県福祉保健部 藤原浩明 係長
「お支払いされているときに時間がかかったりとか、商品の方を選ぶ際にもう一度考え直してチョイスをされたりということがあった。そうして見ていくと、今後のバリアフリーとか認知症の方との共生社会の実現にヒントが得られるかなと」
ファミリーマート倉吉清谷店 長尾博 店長
「今回これをやってみて、皆さまの意見を聞いて改善していく。2回、3回につなげていけたら」
誰もが、いつでも利用できるコンビニを目指したスローショッピング。ファミリーマートでは、今後もこうした活動を続けていきたいということで、この取り組みはその第一歩となりそうです。