【特集】注目の「ブルーカーボン」地球温暖化対策にアマモの移植
海の生態系を支え大気中の二酸化炭素を吸収する海草のアマモは温暖化対策にもなるといま注目を集めています。きょうはこのアマモを守り増やそうと精力的に保全活動に取り組む人を紹介します。
漁港の整備などの建設を中心に手がける志田内海株式会社。この会社の会長 志田崇さんは海草のアマモの保全活動を行ってきました。
★志田内海 志田崇会長
「漁港整備する中で漁師さんにアマモ少ない アマモ減ってきたなという話しを聞いたりアマモの重要性について知りました ハード(港の建設)な部分やって そのあと漁港 浜がにぎわってくれないと造ったかいが無いというか」
海水浴場などでもよく見かけるこちらの海草がアマモ。アマモがある場所は海の生き物たちのエサ場や産卵場所などになっていてたくさんの生き物が集まり海のゆりかごとも呼ばれています。さらにこんな役割も…
★八戸工業大学 桐原慎二教授
「ブルーカーボンという言葉をお聞きになったことがあるかもしれません ブルーカーボンというのはアマモ類やコンブ、ワカメなどの海草が光合成の力で海にため込んだ炭素のことアマモ場が増えることで大気中の二酸化炭素も結果として削減できることが期待されています」
私たちの日常生活で排出される二酸化炭素。これが海に溶け込みアマモなどの海草が光合成を行うことでこの二酸化炭素を吸収し炭素をため込みます。このため込んだ炭素ブルーカーボンが二酸化炭素の吸収源として注目を集めています。
陸奥湾は波が穏やかで砂が多いことなどから広い範囲にアマモ場が広がる全国有数のアマモの生息地です。志田さんはこれまで県などと協力してアマモの調査や保全のための啓発活動を行ってきました。県がめざす2050年までに二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを達成させるためでもあります。
★志田崇会長
「これアマモの種です 去年採ったやつかな こういう種は10月に選別したあとにまいちゃう」
「もともとダイビングとか海に潜ったりするので砂地の何も無いところを潜るよりもアマモが生えて魚がいっぱいいたほうが潜っていて楽しいじゃないですか」
志田さんはいまもうひとつめざしていることがあります。
★志田崇会長
「あおもり駅前ビーチに関してですけども自然共生サイトの登録を目指しています」
昨年度から国が始めたのは民間の取り組みなどで生物多様性の保全が図られている区域を「自然共生サイト」として認定するというものです。認定されると国際データベースに登録され2030年までに陸と海の30パーセント以上を健全な生態系として効果的に保全しようという世界目標「30 by30目標」に貢献することができます。
★志田崇会長
「あおもり駅前ビーチは2021年7月に出来てから本当に生物もいっぱい増えて魚類だけで水産動物で確認しているのが23種類くらい とても豊かな海になってきているなと思ってここぞとばかりに自然共生サイトに登録して価値を上げていきたいな青森駅前ビーチの価値をあげたい」
あおもり駅前ビーチではアマモの移植活動も行っています。普段は潜って移植する志田さんですがこの日はだれでも楽しくアマモの移植を体験できるように手作りの装置を持ってきました。
★志田崇会長
「スゲアマモを潜らないで移植できるようにちょっと工夫したもの 潜らないで移植ができるようになってアマモの移植をもっと身近に感じてほしい」
★アマモ移植を体験した人
「子どもにかえったような海に入って楽しいです」
「手軽にこの道具だけで移植ができるので簡単だと思います」
★志田崇会長
「ダイバーじゃなくても普通の泳げない人でも山の植林みたいに気軽にアマモの移植活動とかがだれでも出来るようにしたい 豊かな海になるし今の脱炭素カーボンニュートラルにも貢献出来るとやれる限りやります」
豊かな青森の海のためにこれからも志田さんの活動は続きます。