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【速報】紀州のドン・ファン殺害初公判「殺していない」元妻は無罪主張 検察は「覚醒剤使い完全犯罪」真っ向から対立、双方の主張のポイントは?

2024年9月12日 14:09
【速報】紀州のドン・ファン殺害初公判「殺していない」元妻は無罪主張 検察は「覚醒剤使い完全犯罪」真っ向から対立、双方の主張のポイントは?
提供:吉田隆氏

 “紀州のドン・ファン”と呼ばれた資産家の男性が殺害された事件で、殺人などの罪で起訴されていた元妻の須藤早貴被告(28)の裁判員裁判が和歌山地裁で始まりました。今後、25回の審理を経て、判決は12月12日に言い渡される予定です。
 真っ向から対立する検察と弁護側の主張。双方の主張のポイントをまとめました。

 須藤被告は全身黒のワンピースに白いマスクを着け、堂々とした様子で入廷しました。人定質問のあとの罪状認否で、3秒間ほど沈黙した後、はっきりした口調で須藤被告は、「私は社長を殺していませんし覚醒剤を飲ませたこともありません。」と起訴内容を否認しました。

 “紀州のドン・ファン”と呼ばれた和歌山県田辺市の野崎幸助さん(当時77歳)は、2018年5月、急性覚醒剤中毒で死亡しました。
 元妻の須藤早貴被告(28)は、野崎さんに殺意をもって、何らかの方法で致死量の覚醒剤を摂取させ殺害したなどとして、殺人など罪に問われています。

 捜査関係者などによりますと、事件当日、野崎さんの家政婦が夕食の準備を終えて外出、その後、須藤被告と野崎さんが約4時間にわたり、2人きりでした。この間に野崎さんに覚醒剤を摂取したとされています。

 また、自宅の台所や掃除機からは微量の覚醒剤が検出され、事件前に須藤被告が覚醒剤の密売人と接触した形跡があったということです。須藤被告は日常的に覚醒剤を使用していた形跡はなく、野崎さんを殺害するために覚醒剤を入手した可能性が高いとみられています。

 一方で、須藤被告が野崎さんに覚醒剤を摂取させたことを裏付ける直接的な証拠は今のところ見つかっていません。

■検察は「財産目当てで結婚後、覚醒剤を使って完全犯罪を行った」

 検察側は冒頭陳述で、「財産目当てで結婚後、覚醒剤を使って完全犯罪を行った」と主張。「須藤被告は和歌山と東京を行ったり来たりの生活をしていて、それに嫌気がさした野崎さんから離婚届を示された頃、『トリカブト殺人事件』という動画を見たり、『完全犯罪、薬物』『老人、完全犯罪』と言った検索をしていたほか、覚醒剤密売サイトで、少なくとも3グラムの覚醒剤を注文し、十数万円支払って覚醒剤と思われものを和歌山市内で受け取るなど、周到に犯行を計画していた」と指摘しました。

 また検察は、急性覚醒剤中毒で死亡した野崎さんへの殺害方法について、

①覚醒剤を摂取させた時間帯(午後4時50分~午後8時ごろ)には現場には須藤被告と野崎さんの2人きりだったこと

②午後6時ごろに現場(野崎さんの自宅)敷地内にある防犯カメラで野崎さんの生存が確認されていること。※この時点では覚醒剤を過剰摂取した際に見られる錯乱の症状がみられないこと。

③午後10時36分に野崎さんの遺体が確認されていること

④覚醒剤の過剰摂取の場合、摂取後約2時間以上経ってから死亡するが、覚醒剤を詰めた「カプセル」を何らかの方法で服用させた場合はさらに40分遅らせることができること。

 これらの状況を踏まえ、須崎被告による野崎さんの殺害を立証していくとしています。

■弁護側の主張のポイントは?

 一方の弁護側は須藤被告の無罪を主張。公判における論点として

①本当に事件なのか? 覚醒剤だとわかって飲んでいたら事件ではない

②須藤被告は犯人なのか? 飲ましたのが首藤被告でなければ、殺人罪には問えない

③殺意はあったのか? 人を殺そうと思った時に覚醒剤という手段を選ぶのか? 思い立つのか?
 本当に殺意を持って被告が覚醒剤を飲ませたと言えるのか? 飲ませたとしても殺そうと思っていなければ、殺人罪には問えない。

 こうした点について、須崎被告の無罪を主張していくとしています。

 裁判は今後、25回の審理を経て、判決は12月12日に言い渡される予定です。

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