【特集】りんごから生まれたヴィーガンレザー「RINGO-TEX」青森市のベンチャーが開発
秋も深まりりんごの収穫が本格化していますね。
りんごを加工する際に出るざんさから生まれた特別なレザーが注目を集めています。
りんごから生まれた「RINGO-TEX」。
動物の皮ではなくりんごから作られた人工皮革いわゆる「ヴィーガンレザー」です。
触り心地は、適度にハリのあるもの、波打つように柔らかいもの、また高級感のあるふっくらしたものなど表情豊かです。
「RINGO-TEX」を開発したのは青森市のベンチャー企業「appcycle」。
社長の藤巻圭さんは39歳です。
海外でりんごのレザーに出会いふるさとのりんごでも作れないかと考えたそうです。
appcycle 藤巻圭 代表取締役
「調べるうちに青森のりんご産業の課題 ざんさの処理だったりとか そういったものを解決できることが分かってきてこれをもし作ったら青森のためになるなっていうところから作ろうと思って始めました」
「RINGO-TEX」のもとになるのは、ジュースなどの加工の際に出る「ざんさ」です。
加工しているのは弘前市のJAアオレン。
1日に200トンのりんごをジュースなどにすると60トンのざんさが出るそうです。
ざんさがどうやってレザーになるのでしょうか。
JAアオレン 葛西亨之 参事
「これがですね、レドックスマスター乾燥機になります」
高温を発生させずイオンや風の力で乾燥させる特殊な乾燥機。乾燥させたものが…。
青森放送 伊東幸子 アナウンサー
「つまりこれがアップルレザーの原料なんですね!」
JAアオレン 葛西亨之 参事
「はい、そうです」
さらさらで軽く、りんごのドライフルーツのような香りがします。
多くの人工皮革に含まれるCO2を排出する石油成分。
りんご由来の原料を使うことで、石油成分を半分ほどに減らすことができたそうです。
いまや国民的人気を誇る王林さんも「RINGO-TEX」に注目。
自身が手がけるブランドで「RINGO-TEX」を使ったキャップとバッグを販売。
青森りんごの新たな可能性をファッショナブルに伝えています。
さらに、「RINGO-TEX」は世界の空へ羽ばたきました。
appcycle 藤巻圭 代表取締役
「昨年から航空機のヘッドレストカバーに採用されています」
SDGsをテーマにした全日空の特別塗装機でヘッドレストカバーに採用。
アメリカやヨーロッパなど世界中につながる空の旅で、SDGsに関心を持ってもらうための象徴的な役割を担っています。
このうち国内向けのプロペラ機「ANA FuturePromiseProp」が23日に初めて青森空港に降り立ちました。
着陸を見守っていた藤巻社長は…。
appcycle 藤巻圭 代表取締役
「もう素直に嬉しいです いやもう、迫力と感動と一緒にこみ上げてきました」
JAアオレン 葛西亨之 参事
「みんながですね そのレザーを使った服なりあるいは靴とかですね そういったものに使っていただいてですね SDGsこれに貢献していただければなというふうに考えております」
appcycle 藤巻圭 代表取締役
「いま私たちの目標は青森県民一人一人に持っていただくこと より青森が発展するように共に歩めるような製品になるように願いながら今後活動を続けていきたいと思います」
おいしく食べて、おしゃれに使う。
「RINGO-TEX」が青森りんごの新しい可能性を切り開きます。