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「自信がなくなったりとか…」知って欲しい“きつ音”のこと 将来の夢へ背中を押した「カフェ」 青森県弘前市

2025年3月13日 10:24
「自信がなくなったりとか…」知って欲しい“きつ音”のこと 将来の夢へ背中を押した「カフェ」 青森県弘前市

特集は弘前市に1日限定でオープンした「注文に時間がかかるカフェ」です。
ユニークなこのカフェで「きつ音」のある大学生が店員としてこれまで踏み出せなかった接客に挑みました。

「注文に時間がかかるカフェ」は、話すときにことばが詰まるなどの症状が出る「きつ音」のある高校生や大学生に、接客を通して自信をつけてもらおうと4年前から全国で開催されています。
主催するのは個人できつ音のある人々のための活動を行っている奥村安莉沙さんです。

★「注文に時間がかかるカフェ」主催 奥村安莉沙さん
「私自身がきつ音がありまして接客に挑戦したかったんですけど、10代20代のころはきつ音が重くてなかなか接客は難しいかなと諦めて大人になったんです」
「この きつ音があっても安心できるカフェで接客に挑戦したいと思って始めました」

今回店員として参加した大学3年の三浦聡一郎さんも、きつ音に悩まされてきたひとりです。

★弘前医療福祉大学3年 三浦聡一郎さん
「常にではないけどきつ音が出るとき出ないときがあって…」

三浦さんが言葉に詰まるようになったのは小学校3年生の時でした。

★三浦聡一郎さん
「僕がきつ音が出たのは小学校3年生の時で、ある日学校に行ったら急に言葉に詰まってしまって…それできつ音に気づいた」

それ以来、積極的になれない日々が続きました。

★三浦聡一郎さん
「きつ音とかあってうまく答えられないと、自分自身に自信がなくなったりとか」
「例えば好きな映画の話でも 『好きな映画ある?』とか聞かれた時に、本当はあるのに 出かかっているのにきつ音が出るから言えないみたいな。それで『ないよ』って結局言って」

今回このカフェに店員として参加した訳は…

★三浦聡一郎さん
「きつ音に対して出るんじゃないかという恐怖とか、つらさとかを持っている方というのはいると思うんです。そういう人もいることを伝えられれば」

スタッフと接客の練習からスタートし、いよいよお客さんを相手に本番に臨みます。
まずは女性客3人組が入店です。

★三浦聡一郎さん
「飲みたいものをひとつ選んでいただければ」
★利用客
「ココアで」

飲み物の注文をスムーズにとることができました。
はじめての接客は順調です。

★三浦聡一郎さん
「どもっている人がいて緊張しているように見えるどうする?①普通に話を聞く②『リラックスして』と言う」

★利用客
「②『リラックスして』と言う」

★三浦聡一郎さん
「残念。正解は普通に話を聞くですやっぱり緊張してどもっているのではなくて『リラックスして』と言われたら自分も緊張してしまうこともあるので」

注文をとりながらきつ音に関するクイズも出題、お客さんとコミュニケーションをとりながらきつ音への理解を深めてもらいました。
お店には岩手県から訪れた三浦さんと同じく、きつ音に悩まされてきたという男性とその母親も。

★きつ音の利用客
「自分も接客に興味があったんですけどきつ音があってできないとか諦めちゃったりしたことがあった」
「すごいなと思いました こういう人たちの前でしゃべるのって大変なのでとても勇気があるなと思いました」

無事に接客を終え三浦さんは…。

★三浦聡一郎さん
「思っていたよりみなさんきつ音に対して理解がある方が多くて、それはそれはすごくうれしかったですね」

★「注文に時間がかかるカフェ」主催 奥村安莉沙さん
「最初は緊張している様子だったんですけど、時間が経つにつれて笑顔が見られて最後はすごく生き生きした表情で良かったと思います」

三浦さんの将来の夢は…。

★三浦聡一郎さん
「言語聴覚士を目指していて、直接的にきつ音の人に治療とかそういうのではないにしても、支えられるような職種に就けたらと思っています」

自分と同じ「きつ音」のある人のためになりたい。
はじめての接客への挑戦は、三浦さんの背中を押す大きな経験となりました。

最終更新日:2025年3月13日 11:18
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