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【特集】科学の力で事件事故の真相に迫る!愛媛県警のプロ集団「科捜研」 公正中立な“DNA鑑定”担う若き研究員

2023年11月20日 18:45
【特集】科学の力で事件事故の真相に迫る!愛媛県警のプロ集団「科捜研」 公正中立な“DNA鑑定”担う若き研究員
「愛媛県警・科学捜査研究所」

事件解決の行方を左右する犯罪捜査の最後の砦にして、科学の力で事件解決への糸口を見出すプロフェッショナル。

「愛媛県警・科学捜査研究所」。鋭い観察眼と公正・公平な鑑定力を武器に、日々証拠の裏付け捜査に邁進する若き研究員を取材しました。

テレビドラマでよく耳にする「科捜研」こと、科学捜査研究所。犯人の早期検挙、事件解決につなげようと、愛媛県警では1996年に発足しました。

案内してくれるのは、27歳の新人・徳永聡研究員。ひと口に“科捜研”といっても、調べるものは種々様々とのこと。

4つの分野でそれぞれ研鑽を積んだエキスパートたちで構成される「科捜研」

まずは「工学係」。けん銃や弾丸の鑑定のほか、火災や交通事故の現場調査や再現実験などを基に、事故状況の推定や原因を特定します。

人文係は、筆跡や印影物、紙幣などの鑑定を得意とする部門。

人文係の研究員:
「今倍率4倍くらいで見ているが、8倍とか16倍くらいまでどんどん倍率はあげて確認ができまして」

そして麻薬やシンナーといった薬物のほか、ひき逃げ事件で残された繊維、塗膜などの鑑定を行う化学係。

化学係の研究員:
「試薬を使って、液体が酸性なのかアルカリ性なのかを見たりしている」

そして、血液や唾液、骨など犯罪に関する生体資料を基に最新科学を用いたDNA型鑑定などを行う法医係。

この4つの部門を合わせて、愛媛県警の科捜研は構成されているのです。

徳永さん:
「今、液体を遠心分離機を使って落としている(分析する)という作業。(DNA鑑定で)必要な作業の一つ」

法医係の新人、徳永聡研究員(27)。愛媛大学大学院理工学研究科を卒業後、2023年春に愛媛県警科学捜査研究所に入所しました。

徳永さんが担当するのは、今や犯罪捜査に欠かせない要素のひとつとなった、DNA鑑定。

DNA型鑑定のニーズ増で 2010年に最新機材を導入した愛媛県警

(2010年当時)県警 科学捜査研究所 沖浦達幸首席研究員:
「今まで重要事件を鑑定していたが、これからはわいせつ事案や窃盗事案など県民の皆様方の身近な犯罪にまでDNA型鑑定を活用してまいりたいと考えている」

今から13年前、犯罪捜査で激増したDNA型鑑定の必要性に対応するため、愛媛県警はおよそ5700万円をかけて世界でも最新のDNA型鑑定支援機材を導入。犯人の特定と事件の早期解決に向けた体勢を整えてきました。

徳永研究員:
「DNAを読むという作業に入っていきます」

県警 科学捜査研究所 入所10年目 菅貴嗣 主任研究員:
「これがものさしになる。これをもとに全部DNAを解析していく。私たちが扱うものは分解していたり、難しいものになってくるので、経験を積んでいきながら覚えていく必要がある」

県内で起こるあらゆる事件や事故の捜査に携わる、科捜研。発足当時、年間2万件あった県内の犯罪認知件数は、2022年およそ3分の1に減少。

事件・事故の早期解決や犯人の特定だけではなく、犯罪を抑止する役割も担っている、科捜研。いわば、県警の中枢のひとつともいえる重要な部署なのです。

菅主任研究員:
「(徳永研究員は)非常に素直で呑み込みが早いので、今後期待の新人かなと思っている。今後どんどん経験していってもらって難しいものも一瞬で判断できて、信頼性の高い鑑定を どんどんやっていってもらいたい」

徳永研究員:
「私たちが出す証拠の鑑定の能力、証拠能力は、もしかすると人の人生を大きく左右する可能性のあるものになってくるので、公正中立な立場で物事を見ながら間違いのない鑑定を行えるような科学捜査研究所の研究員になりたいなと」

一人前の研究員めざして 警察庁の研究機関に長期研修へ

2023年9月。徳永さんの姿は松山空港にありました。

実は徳永さん、一人前の研究員を目指して、長期研修という名の武者修行に出ることになったのです。

徳永研究員:
「やっぱり緊張しますね。緊張とやっぱり期待といいますか、仕事に必要な知識や技能を学べるということで」

研修先は、千葉県柏市の科学警察研究所。日々の暮らしと安全を守るため、ありとあらゆる事件・事故に関する研究を行う、いわば“究極の”科捜研です。

一人前の「科捜研の男」をめざして。徳永さんの挑戦が始まりました。

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