40年後に愛媛の人口が4割減!?未来に向け変わる街…今年大きな節目を迎えた「まちづくり」事業
現在129万人いる人口が2060年に78万人に減るという試算を発表した愛媛県。
未来に向けて、愛媛の“まち”はどう変わっていくのか?きょうは今年1年の「まちづくり」を振り返ります。
今年7月。松山の中心部で長年愛されてきた映画館の取り壊しが進んでいました。1989年の開業以来、数々の名作を映し出してきた映写機も、役目を終えました。
県内各地で進む、建物の解体。
神開発 針ヶ谷考志 統括本部長:
「高度成長期に建てられたものが老朽化で。まだまだこれから5年10年20年は、建て替えなどが増えてくる時代になると思う」
ことし、次の時代へ向けた愛媛の街づくりが大きな節目を迎えました。
どうなる県有地?示された新たな方向性
植田記者:
「20年前に県が取得したこちらの土地。ようやく動き始めます」
先月、水族館建設構想が中止となった県民文化会館前の県有地に新たな活用の方向性が示されました。
中村知事:
「国際会議の誘致を含むMICE機能の向上につながる集客・交流施設の整備を軸とした提案を民間事業者に投げかけていくこととした」
G20など、大規模な国際会議に対応した新施設の建設計画です。県は民間から提案を募って地域の活性化や都市機能の向上を図る方針です。
変わるJR松山駅前に外環状道路…大規模工事の進捗状況は
和氣アナ:
「すごい。うわあ、これ奥に見えているのが?」
県中予地方局 鉄道高架課 藤田賢課長:
「奥に見えているのが、あれがホームになる。高架橋本体はもうできていて、高架橋本体に今、レールを敷設する工事をしている」
9月。チャンネル4のカメラが潜入したのは「JR松山駅付近連続立体交差事業」の最前線。来年秋の供用開始を目指す作業が最終段階を迎えていました。
藤田課長:
「まずこっちの1番線2番線側のホームで支柱が2本ほど建っていると思うが、9月に入って、屋根の工事に入っているところ」
2月。松山ICと松山空港とを結ぶ外環状線で、国道に交通規制をかける大規模な工事が行われました。
中武記者:
「間もなく午前0時を迎えます。パズルを埋め込むように、外環状道路と接続されました」
国内最大級のクレーン車で橋桁を吊り上げ、国道56号をまたぐ高架橋が架けられました。周辺には深夜の大工事を一目見ようという大勢の見物人も。
男性:
「いやいや、これは感動ですね」
女性:
「もうきっと見られることは無いので、いい思い出になりました」
物流の効率化と渋滞緩和をめざして、県都・松山が大きく変わっていく様子が見られました。
世界の持続可能な観光地 ナンバーワン!伊予の小京都・大洲では
一方で、「いまあるもの」を活用して、世界から注目を集めたのが…
地元の女性:
「今はけっこうヨーロッパ系の人も多いし、家族連れはアジアの人が多くて、 お遍路さんはヨーロッパ系の人が多いかなと」
3月に世界の持続可能な観光地の「文化・伝統保全」部門で、世界1位に選ばれた大洲市です。改装した古民家をホテルとして活用するなど、歴史的な資源を活用したまちづくりを進めている、「伊予の小京都」。
南予観光の拠点として、来年も注目です!
県内の高齢化率33.45%を記録 各地で高齢者が快適に暮らせるサービス開始
2023年は、ソフト面でも街づくりが進化した1年でもありました。
3月、「高齢者に優しいまち」を目指す松山市は、これまで9地区限定で行っていた、戸別訪問した職員がゴミ出しを行う「ふれあい収集」を市内全域へと拡大しました。
利用者の女性:
「ありがたいです。ひとりでさみしいからね声をかけてもらってありがたいよ」
利用者の娘:
「困りごとがひとつ解決するだけで、こんなに楽になるのかなと思って、母にやさしく接することができるようになったかなって思います」
10月には、市内で3例目となる定額制の乗り合い送迎サービス、「チョイソコ」が石井地区でもスタート。
今年、記録が残る昭和53年以降で最高となる、高齢化率33.45%を記録した県内。引き続き、高齢者が快適に暮らせるための街づくりが求められます。
道後温泉のシンボルが復活!一方で坊っちゃん列車が運休に…
11月末。保存改修工事のテント膜と足場の鉄骨が外され姿を現した、道後温泉本館。街のシンボルが2年ぶりに復活したことで、来年は「愛媛の観光復活」に向けての期待が、ますます高まります。
しかし、2001年以降、愛媛観光の目玉のひとつとして活躍してきた「坊っちゃん列車」が今年11月から全面運休に。理由は「運転手不足」です。
道後人力車 元祖くるまやさん 車夫 高橋孝伯さん:
「びっくりしました。残念ですよね。坊っちゃん列車とタイミングを合わせて一緒に走ったりとか子どもが喜ぶので」
白鷺堂 小池愛子さん:
「ぜひ運転士を確保して走ってほしいです。1日でも早く」
そして…
知事:
「(バス会社が)利用します、しませんも含めて、どういう話し合いがなされているのかはまだ見えてないということと、利用料金も全然分からないということ。整備だけ進めてしまった場合は閑古鳥が鳴いてしまう可能性だって出てきますよね」
松山市がJR松山駅前への建設を目指す集合型バスターミナル「バスタ」について、先月中村知事が、「ビジョンが不明確だ」などとして、苦言を呈したのです。
都市機能の向上と合わせて、今後本格化する人口減少や少子高齢化などに配慮した「持続可能な都市づくり」を目指している松山市。
チャンネル4では引き続き、未来に向けて変わり続ける街の様子を取材し続けます。