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自民党の裏金問題に端を発した衆院選 高知県内の結果と今後【高知】

2024年10月28日 18:40
自民党の裏金問題に端を発した衆院選 高知県内の結果と今後【高知】
衆議院選挙は10月27日に投開票が行われました。全国的に見ると政治とカネの問題への逆風から自民・公明の与党は過半数を割り込む結果となりました。
一方、高知県内の2つの小選挙区は自民党が議席を守り、比例四国・高知県関係では公明党の前議員が再選しましたが、自民党の前議員は届きませんでした。自民党の裏金問題に端を発した今回の衆議院選挙は政治とカネの問題への対応や経済政策・社会保障政策などが主な争点となりました。

県内の2つの小選挙区はいずれも与野党一騎打ちの構図となり、これまでの自公政権を継続するのか否か、各候補は政権選択の様相を呈した選挙だと訴え、激しい論戦を繰り広げました。
そして27日夜、次の4年間を託す県民の審判が下りました。

高知1区では自民党の前議員で防衛大臣の中谷元さんが8万9110票を獲得し、立憲民主党の元議員・武内則男さんを制して12回目の当選を果たしました。
中谷さんは公務のため議員会館と会場をオンラインでつなぐ形で挨拶しました。現在3度目の防衛大臣をつとめ、安全保障政策が専門の中谷さんは懸念の声が上がる防衛費の増大などについて、27日夜に出演した高知放送の番組で改めて国民に理解を求めていくと語りました。

高知2区では自民党の前議員・尾﨑正直さんが10万2501票を獲得し、共産党の新人・浜川百合子さんに大差をつけて再選しました。知事を3期12年務めた後、国政に転身し1期目ではデジタル大臣政務官と国土交通大臣政務官に抜擢された尾﨑さん。選挙戦では知事時代の実績に裏打ちされた今後の経済政策などに多くの有権者の共感を集めました。

一方、敗れた野党側はー。
高知1区で中谷さんと戦った立憲民主党の元議員・武内則男さんは金権腐敗政治を批判し続け、前回より多くの票を集めましたが、自民党のベテラン・中谷さんが35年間築いた壁を崩すことはできませんでした。
また、高知2区で尾﨑さんと戦った共産党の新人・浜川百合子さんはミサイルより教育を、一人ひとりを尊重する政治をと訴えてきましたが、抜群の知名度と知事の時代の評価が高い尾﨑さんには及びませんでした。

比例代表四国ブロックの県関係では、公明党の前議員・山崎正恭さんが再選を果たしましたが、政権与党への逆風の中、ぎりぎりの戦いでした。

一方、11期務めた自民党の前議員・山本有二さんは落選し、「皆様の期待に添えず大変申し訳ない」とし、「おそらく政界からは身を引くことになるように思います」と政界引退も示唆しています。

今回の選挙は政治とカネの問題から与党に逆風が吹き、全国的には自民党と公明党が議席を大幅に減らし、与党で過半数を割り込む結果となりました。県内では2つの小選挙区を再び自民党が独占し、公明党も議席を死守しました。

県内の投票率は51.97パーセントで前回2021年よりも5.37ポイント下回り、戦後3番目に低い厳しい結果となりました。政治とカネの問題は政治不信を招きましたが、それ以上に物価高や社会保障政策への不安など暮らしに身近な課題が有権者にとっては切実で、選挙戦で目立った政治とカネを巡る与野党の論戦に、県内の有権者は今ひとつ関心が高まらなかったとみることもできます。

次の4年間、国政を託す顔ぶれが決まりました。私たちひとりひとりは人口減少による地方の衰退、長期低迷する経済をどう立て直すのか、厳しい安全保障環境にどう臨むのかなど、山積する課題に対する議員の仕事ぶりをチェックし、評価していかなくてはなりません。
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