×

茅葺き屋根の材料『カヤ』収穫作業 いの町で行われる【高知】

2025年3月11日 18:39
茅葺き屋根の材料『カヤ』収穫作業 いの町で行われる【高知】
日本古来の建築技術である「茅葺き屋根」の材料となるカヤの収穫作業が3月8日に高知いの町でおこなわれました。

いの町の中央部に位置する吾北地区には、連なる山々の中に見えてくるヘリポートの敷地の斜面、約1ヘクタールに茅葺き屋根の材料となるカヤの草原が広がります。

梼原町の川上義範さん(77歳)は、昔ながらの工法を受け継ぐ四国で唯一の茅葺き職人です。3月8日、茅葺き屋根の葺き替え作業などに使う材料確保のため、朝早くから弟子や地域の人たちなど8人で2メートルほどの高さまで成長したカヤを刈り取り、手作業で束ねていました。

川上さんによりますと、これほど良質のカヤが多くとれる場所は県内でもわずかだとといいます。

■川上義範さん
「暑い中をよく頑張ったねとか。この前の大雪によく耐えたねとか、そういうような声掛けをしながら。自分の我が子のような愛情をかけて扱っている」

生活様式の変化などで茅葺き屋根の家が減少するとともに、全国的にカヤが生える場所も消滅するなど、茅葺き屋根を取り巻く環境は厳しい状況が続いています。

そんな中でも川上さんは技術の継承のため、高知の貴重な茅場を残し、県内での営みの循環を守りたいと話します。

■川上さん
「第一に生育条件が最高。材料もいいし本当に貴重な茅場。日常の管理が大事。日ごろから縁をつないで、この現場と向き合って長続きさせるという事がこの茅場を守る1つの原点」

全国各地から茅葺き屋根の修復依頼がきているという川上さん。たくましく育ったカヤを使い、各地に残る日本の原風景を守っていきます。
最終更新日:2025年3月11日 18:39
高知放送のニュース