危険!「乱横断」歩行者のルール違反がまねく交通事故
去年、高松市サンポートで行われた、車道の一部を歩行者天国にする社会実験の様子です。香川県は高松市の中心市街地に遊歩道を整備するなど「歩行者目線でのまちづくり」を進めています。
こうしたまちづくりが進む一方で、街を歩く際には私たち一人ひとりが意識を改めなければならない現状もある様です。
今月中旬、高松市中心部を走る片側3車線の幹線道路、通称「中央通り」。この道路を歩いて渡っていた女性が、横から来た乗用車にはねられ、その後、死亡する事故がありました。
事故当時と同じ時間帯に中央通りを取材してみると・・・
「あっ!車道を走っていきます。中央分離帯に植えられた街路樹の間をぬって、中央通りを横断していきます。」
更に、こちらの男性は
「スマートフォンを見ながら横断しています。左右を見ることは、ほとんどありません。かなり危険です。」
男性達が渡っていた場所には、ある看板が・・・。
「わたるな」と書かれた標識です。道幅およそ40メートル、交通量も多いため、この中央通りでは歩いての横断が禁止されています。
こうした場所や、安全を十分に確認せず、横断歩道以外の場所を渡るなどの行為。「乱横断」と言われる、歩行者のルール違反です。
香川県警が過去5年間に起きた死亡事故を分析したところ、横断中に車にはねられて亡くなった人は44人。このうち、8割にあたる35人が「乱横断」をしていたということです。
(香川県警交通企画課 植田憲蔵交通事故分析官)「やはり、重大な事故につながるリスクは大きいと思います。車の通行量が非常に多いですし、そこを無理して横断となりますと、ドライバー側からすると(歩行者の)横断の予測が間に合わない。特に夜間ですと、非常に視認性が悪い中で、物陰から出てくる部分が非常に危険な行為になると思います。」
歩行者目線でのまちづくりを進めている香川県。歩行者の意識も安全なまちづくりには必要不可欠です。
(植田分析官)「やはり、ルールを守ることが、命を守ることにつながりますの で。しっかりとルールを守って、安全な方法で道路を利用して欲しい。」
香川県は今週、歩行者の横断が禁止されている中央通りの番町交差点に、横断歩道の設置を検討する方針も発表しました。
「歩行者優先」と大手をふって、周りの人の迷惑になっていないか?
自分の行動、そして意識。改めて見つめ直して欲しいと思います。