秋の味覚に異変? “高いサンマ” に “害虫被害の野菜” も (静岡県)
暑さが和らぎ美味しいものがたくさん出回るこの季節。しかし、今年は夏の暑さや残暑の影響で「秋の味覚」にある異変が起きています。
静岡市葵区にある鮮魚店を訪れてみると、新鮮な海の幸がずらり! しかし・・・
(鮮魚 日の出 川瀬真吾 代表)
「高い、すごく高い。庶民の魚ではないような気がする」
店主がそう話すのは、秋の味覚の代表格「サンマ」です。
(鮮魚 日の出 川瀬真吾 代表)
「ことしは漁獲量が多いかも、大きいサンマが例年に比べ少ない。燃料費が高いのでどうしてもお金がかかる」
この夏、燃料費の高騰に加えて深刻だったのは…
(鮮魚 日の出 川瀬真吾 代表)
「静岡でも南方系の魚が取れたり、海水温が高かったので、いつもと違う魚で大変だった」
海水温が下がるのは、暑さが落ち着いてから1か月ほど後になるということで、漁獲量が安定するのは少し先になりそうです。こうした中、安くておいしくいただけるというのが・・
(鮮魚 日の出 川瀬真吾 代表)
「北海道からあがるブリ、モノが良くて脂もあって、値段も安くていいと思う」
さらに、脂の乗った「戻りガツオ」も豊漁で、お得にいただけるということです。
一方、こちらは焼津市で農業を営む河村さん。年間20種以上の野菜を栽培していますが、収穫を迎えている野菜に異変が起きていると話します。
(三和農園 河村さん)
「ここにミニ白菜があるが、穴がボコボコあいている。これぐらいならいいが、中まで食べられていて、これは商品としては出せない」
10月から収穫が始まりましたが、害虫被害で収穫できる量が1割ほどだということです。
(三和農園 河村さん)
「8月に定植して、9月に一気に害虫が発生した。9月のあの温度の高さが間違いなく影響している」
9月の暑さは今後、冬野菜にも影響を与えそうです。
静岡県内では、冬場に出荷されるレタス。9月に種がまかれましたが、発芽が悪く、苗の数が少ないことから植込みの作業が遅れていると話します。
また、9月に植えた白菜は暑さの影響で成長が鈍いものもあるということです。
(三和農園 河村さん)
「ことしの冬野菜については、9月の暑さの影響が大きい」「品質的には特に10月になって気温が下がり良いものができると思う。ただ出回るのは遅いのでは」
この夏の暑さによる野菜の不作は、これからの季節に食べたいお鍋の具材にも影響を及ぼしています。
(スーパー田子重西中原店 天野副店長)
「9月10月と高値が続いていて、例年に比べ3割~4割高くなっている」
白菜と白ネギは例年100円前後で販売しているといいますが、現在は倍近い200円前後です。こうした中、店もある工夫をしているといいます。
(スーパー田子重西中原店 天野副店長)
「鍋物のコーナーで店としても工夫として、お客様が買って無駄にならず、包丁も使わないで済むザク切りタイプのものを用意したり、全てのものが1パックに収まっている鍋物セットを出すことで、値段を安くはできないが、便利で無駄にならない商品をそろえている」
また、鍋の具材として比較的値段が落ち着いているキノコ類もすすめているということです。この夏の暑さや残暑により、価格高騰や不作などの異変が起きている“秋の味覚”。その影響はもうしばらく続きそうです。