太田川の氾濫による浸水被害から2年が経過…雲見地区にはお盆休みを楽しむ観光客の姿(静岡・松崎町)
静岡・松崎町雲見地区の太田川が氾濫して14日で2年が経ちました。
浸水被害を受けた太田川沿いの民宿街は元の姿に戻り、海岸ではお盆休みを楽しむ観光客の姿が見られました。
2022年8月、松崎町雲見地区を襲った太田川の氾濫では、あふれだした土砂を含んだ水が住宅や宿泊施設に流れ込みました。また、土砂崩れの発生で上水道が断水。温泉を運ぶパイプも被害を受けて、温泉地としての機能が失われてしまいました。お盆のかき入れ時の観光地を襲った浸水被害は床上、床下浸水 計20世帯。地区内では70世帯が断水となるなど、甚大な被害を与えました。
発生から2年が経った14日、雲見地区では太田川で魚取りをする親子連れの姿が見られました。
この民宿を経営する高橋さんは、三代目になるということですが、大雨による浸水被害は初めての経験だったといいます。
(雲見 民宿 吉右衛門 代表 高橋 勝己さん)
「土砂というか泥がこのくらい水がこのくらい」
高橋さんの民宿は完全復旧までに半年間かかったそうです。
(雲見 民宿 吉右衛門 代表 高橋 勝己さん)
「皆さんお互いに励まし合いながら頑張ってやってます」
少しずつではありますが、被災前に戻りつつあるようです。
一方、県によりますと、太田川が氾濫した原因となる木材や土砂が流れ出した上流部の谷あいには、5億円を投じて2基の砂防堰堤を建設していて年内の完成を見込んでいます。これらの対策により被災時と同じぐらいの雨量を記録しても下流部での浸水被害は軽減できるということです。
(下田土木事務所企画検査課 土屋 勇太さん)
「令和4年の台風8号の時には、上流から土砂が出てきました。その土砂が下流の雲見地区の川を閉塞させて、床上、床下浸水が発生した。今回の工事は、上流の不安定な土砂を堰堤で止めることによって、下流域の安全を確保するというやりかたとしている」
被災から2年が経った雲見地区では、住民の安全を守る県の対策や宿泊業を元の軌道に乗せようと努力する住民の姿が見られました。