【最新】浩子被告の兄も出廷・証言 幼少期の瑠奈被告と両親の様子に驚いた すすきのホテル殺人
札幌・すすきののホテルで2023年7月、男性の首を切断し、頭部を持ち去った事件で逮捕・起訴された親子3人のうち、母親・田村浩子被告の4回目の裁判がきょう(2024年10月1日)札幌地裁で午前11時から始まりました。
弁護側による父親・修被告の証人尋問が始まり、修被告が録音していた娘・瑠奈被告との会話の音声データが証拠として提出されました。
音声データは6時間以上あるものを弁護側が抜粋していて、録音された期間は2020年10月3日から、被害男性に初めて会った2023年5月28日までです。
録音されていた会話は、修被告と瑠奈被告が英語で会話していて、修被告の証人尋問によると、瑠奈被告は「シンシア」として発言していて、「シンシア」が「妹」と呼んでいるのは瑠奈被告を指していると思われるということです。
▼2020年10月6日録音(英語での会話)
瑠奈被告「I want to kill you」(お前を殺してやりたい)「Why don't you follow my order」(なぜ、私の命令に従わないのか?)などと修被告に罵声を浴びせる。
▼2023年1月22日録音(日本語での会話)
瑠奈被告「ちょっとでも力をつけてテメェらを、殺してやる。ずっとそう思って生きてきたんだよ、私の妹と私は!」
修被告「クリニックではこのレベルだと対応できないというふうに思われる」
瑠奈被告「うー!」
修被告「なるべく早く見てくれるところを…」
瑠奈被告「うー!」
修被告「今までと違う薬で違う効果が期待できるかもしれない」
▼2023年1月22日録音(英語での会話)
瑠奈被告「I kill everyone! That’s all !」(私はみんなを殺す! それだけだ!)
修被告「I don’t kill any」(私は誰も殺しません)
このほか、瑠奈被告「責任も取らないくせに!とっととやんなさいよ、そのクソアマを!」などと英語でののしる。
▼2023年6月1日録音(日本語での会話)
瑠奈被告「相手は自分の意のままだと思ってるから、そう思わせといて、主導権はこっちにある」「もうなんか無の気持ちで、こうなったらどこまでも私、ビッチのふりできるから、なんか我慢比べみたいだと思った。でもまさかそんな子に見えないでしょ?」
【弁護側による修被告の証人尋問】
▼瑠奈の発言について、「私の妹」と言っているが、瑠奈被告に妹がいたことは?
「ないです。」
▼妹とは誰か?
「瑠奈のこと。瑠奈の魂。」
▼妹を殺した!と話している主体は?
「シンシアさんが中心だと思う。他にもたくさん魂はいるが、中心はシンシアさん」
▼シンシアの魂が殺したいと言っているのは?
「自分と浩子のこと。わたしたちの対応により、瑠奈の魂が死んだとシンシアは思っている」
▼ 瑠奈被告から危害を加えられたことは?
「ないです」
▼ ナイフや包丁を振り回したりは?
「私たちに向かって直接はない」
▼興奮している間は?
「何を言っても落ち着かないので、火に油を注がないようにしていた」
▼首の撮影をさせられたことについて、撮影を先延ばしにすることはできなかったのか?
「目があと一つしか残っておらず、その日は金曜日の夕方だったが、翌日朝イチで関西に出張する必要があった。日曜の夜に帰ると2日間家をあけることになり、浩子に撮影を頼むことになると思った。このような損害行為は考えるだけで身の毛がよだつ行為で浩子は耐えられない。言い方は悪いが「さっさと終わらせたほうが良い」と考えた」
▼修さんは被害男性にどうなってほしかった?
「問いただして謝れば修復可能かと。謝らなければそれまでだなと思っていた」
▼修被告は被害男性をどう思っていた?
「このままフェードアウトしてくのが一番いいと思った」
▼瑠奈被告と一緒に被害男性を探しに行った?
「一緒にすすきのに行って、最初にクラブを探した。その間、娘はスリラーバーにいた。その後一緒に被害男性を呼びつけるクラブに行った」
▼修さんはどういう気持ちで被害男性を探した?
「見つからなければいいなと、本人の気持ちがもういいやとなってくれればと」
▼被害男性のことを何も知らないと思うが、被害男性がいそうな場所を探したのか?
「まったく本人からは個人情報が聞けていないと。あだ名と週末に上の年代向けのクラブに行くことが多いと聞いて、その条件で探した」
▼被害男性を探しに行くときLINEで被害男性を「シカ」と呼んでいた。「シカ」と呼び始めた経緯は?
「被害男性を探すとき、娘も家族も誰も知らないのに、あだ名で呼ぶのは娘にとって響きがよくない。別の呼び方がないかと思って呼んだんだろう。娘の方から「シカ」と呼ぼうと直前に言われた」
▼SMの練習についてどちらから言いはじめた?
「娘からです。被害男性との約束の後、娘が「前回は私が攻められたから今回は私が攻める」と練習した」
▼時間は?
「長くて1~2分だったと思います」
▼具体的に
「正座で後ろ手に手錠をかけてアイマスクをしている想定で、後ろから娘が、迫ってきて、あちこち触ったり。どう?って聞いたりなど、やり取りしたような記憶がある」
▼「漂白剤(裁判では商品名)で指紋は消せるか」という検索結果があったということだが、そんなものはあった?
「なかった。漂白剤や、他の洗剤についてのことは残っていた。重曹とか」
▼漂白剤について検索したのはなぜ?
「娘からドール(人形)の皮脂汚れを落とすのに漂白剤が使えるか聞かれた」
▼ドールとは?
「組み立てて自分好みに作る人形で、家に3桁はある(=100体以上ある)。娘は非常にドールを気に入っていて、理想の形を作りたい、これが作れないうちは死ねないと言っていた。中古のものを買うときは、蔑ろにされているドールを救ってあげたい、綺麗にしてあげたいというので、出来るだけ購入していた」
▼ドールの取り扱いは?
「樹脂なので皮脂がつくと劣化するので扱うときは注意が必要」
▼漂白剤は強力で人形を傷める恐れは?
「あるとおもう」
▼それで漂白剤について調べた?
「はい」
▼新品のドールはどうやって保存している?
「箱に入れている」
▼6月25日、大きめの黒いスーツケースを調べているが、何に使うものだと思ったか?
「娘から箱のドールをまとめて、一気に持ち運びするのにいいのではないか、それに適したものが欲しいと言われた」
▼「スーツケース 耐荷重100キロ」「スーツケース 耐荷重50キロ」と検索したのは、修被告が入力したもの?
「記憶は定かではないが、できるだけ入るもの調べてと言われて、自分で入力したのか…クリックしたのか…」
▼黒いスーツケースにドールはどのくらい入る?
「20~30は入ると思う」
▼70センチのものは?
「15個くらい入ると思います」
▼重量は?
「1個で4~5キロあるので、クッションなどなく詰めれば50~70キロくらいでは」
▼LINEのトーク履歴で被害男性に関するものは削除しているが、どうして?
「被害男性に関連したやり取りが目に入るのが不快だった」
▼消し方としては、削除ボタン?送信取消?
「2種類の方法があるのは知らなかったので、普通に削除していました」
▼修被告が削除して浩子被告のスマホに残っているものもあれば、浩子被告が削除して修被告のスマホに残っているものもある。一緒に消そうとした?
「違います」
瑠奈被告が修被告に遺体を損壊する様子を撮影依頼 修被告の認識は?
▼修被告は明確に損壊する様子を撮影してと言われた?
「中身は言わずに撮影してと言われた」
▼何を撮影するかは言われていない?
「はい」
▼修はどの時点で損壊すると認識した?
「浴室までカメラを持って行って、損壊した後のビンなどを見せられて、まだ頭部に目が残っていると言われたときに損壊するのかなと。浴室に行くまでは分からなかった」
浩子被告の兄も出廷 幼少期の瑠奈被告は「味噌汁のお椀をぶちまけた」
浩子被告の兄は法廷に姿を見せず、証人尋問はカメラ越しに行われました。
<幼少期の瑠奈被告について>
▼3人がそろっているのを最後に見たのは?
「瑠奈被告が幼稚園のとき」
▼どんな様子を見た?
「みんなで食事中、瑠奈被告がお味噌汁の椀をぶちまけた」「味噌汁が天井に着くくらい飛び散った」「ほかには子ども同士でゲームのようなことをしているとき、途中でやめることがあった」
▼どのように思った?
「驚きました。瑠奈被告の両親はあまり咎めなかった」「瑠奈被告の祖父は『そういうことをしてくれた方が気がまぎれる』と言っていた」
▼瑠奈被告と電話で会話したことは?
「小学生くらいのとき、浩子被告の自宅に電話したら、瑠奈被告が電話に出た」「『おじさんだよ』『勉強をしているか』などと話していたが『おじさんが悪い』などと言いだし電話を替わった」「最後に電話したのは2016年から2022年の間。『おじさんだよ』と言ったら『ああ』と言って母に替わった」
<浩子被告と修被告について>
▼2人と直接会ったのは?
「2022年の春から秋ごろにかけ実家を整理するときに会った」
▼印象に残っていることは?
「なんでもかんでも持って帰っていった。修被告が『これいるの?』と聞くたび、浩子被告が『いる、いる』と言っていた」「量的には車にきっちり荷物を積み込んでいて、乗り込むのも窮屈そうだった」
▼浩子被告らの逮捕はどのように知った?
「テレビなどで知った。大変驚いた。真実が明らかになってほしいと思った」
証人尋問中には、弁護側から「20年以上も前のことを聞くのか」など異議の申し立てがあり、検察官が「家族の様子を第三者がどのように見たか知るのに重要な証言だ」などと説明するやりとりがありました。
起訴状によりますと、浩子被告は2023年7月、娘の瑠奈被告(30)が殺害し切断した当時62歳の男性の頭部を自宅に隠すことを容認し、頭部を損壊する様子をビデオ撮影するよう瑠奈被告から頼まれ、それを修被告に依頼して遺体の遺棄や損壊を手伝ったとされる死体遺棄ほう助と、死体損壊ほう助の罪に問われています。
これまでの裁判で、検察側は「事件前に瑠奈被告が被害男性から性的トラブルを受け、殺意を募らせていたことを認識していた」と指摘し、浩子被告が娘の犯行を容認したと主張。
一方、弁護側は「警察に通報や娘を出頭させなかったものの、頭部が自宅にあると知っていることをもってほう助とは言えない」などとして無罪を主張しています。