海苔5枚も使う2キロおにぎり 苦悩する弁当店 不漁で海苔高騰 せんべいにも影響 北海道
お弁当に欠かせない「海苔」ですが、価格の高騰が続いています。
全国的な不漁などの影響で3月も値上げが予定されていて、家計への負担も大きくなり始めています。
(まんぞく弁当 湯浅孝臣代表)「全形といわれる海苔です」
縦・横およそ20センチの大きな海苔。
これをふんだんに使った店の名物がー
(藤得記者)「お米が2キロ使われた巨大なおにぎり。実は海苔が5枚も使われています」
一度に海苔を5枚使う2キロおにぎりです。
しかし今、ある悩みに直面しているといいます。
(まんぞく弁当 湯浅孝臣代表)「海苔の値段がかなり高騰している状況になっていますね」
仕入れ先から購入する海苔の値段は、4年前の1.5倍程度になっていて、2024年8月にやむを得ず80円値上げしました。
今後も高値が続くと、店への影響が大きくなるといいます。
(まんぞく弁当 湯浅孝臣代表)「のり弁当ですとか、ほかにも海苔を使うお弁当はありますので、ちょっと厳しくはなりつつありますかね」
国内産の海苔は近年、温暖化などの影響で全国的に不漁が続いています。
1枚当たりの平均単価は10年前はおよそ11円でしたが、1月末には30円近くまで高騰して過去最高を記録しました。
札幌市内のスーパーです。
こちらの店でも海苔に値上げの波が押し寄せていました。
(マルコストアー 山川悟史社長)「こちらの海苔なんですが、当店ではいま税込みで300円で販売しているんですけども、このままいくと同一商品で店頭価格が税込み429円くらいまで上がるんじゃないかなと」
ほとんどの海苔商品が3月から30%程度値上がりするということです。
(客)「本音はやっぱり上げてほしくないですよね。でも生産者の方も大変でしょうから」
そして一見、海苔とは無縁に思えるこちらのコーナーも。
(青柳記者)「スナック菓子のコーナーですが、海苔を巻いたせんべいというのは見当たりませんね」
海苔を使った商品はほとんどなく、あってもわずかに留まります。
(マルコストアー 山川悟史社長)「海苔を使ったお菓子は原料が高いので価格が高くなるのか、新製品の発売頻度が減る可能性もあるのかなと思っています」
(ホッカン 成田真則工場長)「こちらの機械で干し海苔を乾燥させます」
札幌市の海苔製造メーカーです。
仕入れた海苔を乾燥させたあと、火を入れるなどして出荷しています。
倉庫には全国各地から集まった海苔がずらりと並びますが、価格は上昇の一途だといいます。
(ホッカン 青田孝志社長)「ことしは特に上がっていて、3年前まではそんなに上がっていなかったんですけども、その時と比べると平均単価で3倍近い上昇となっています。買いたい時期に買いたいものがなかなか買いづらい」
扱うのは基本的に国産海苔ですが、海外産も一部で買い付け、工夫を重ねています。
(ホッカン 青田孝志社長)「あまり高くなると売れ行きが鈍るということも起きかねないので、そこは慎重に話し合いをしながら買いやすい価格を維持すべく努力している状況です」
海苔の販売業者によりますと、海苔の不漁は温暖化が原因とみられ、今後も続く見通しで、消費者にとって家計への負担が増えそうです。